国内企業物価4月は前年比0.9%上昇、国際商品高や価格転嫁などで

Kentaro Sugiyama

[東京 14日 ロイター] - 日銀が14日発表した企業物価指数(CGPI)速報によると、4月の国内企業物価指数は121.2となり、前年比0.9%上昇した。指数は比較可能な1980年以降で最高水準だった。国際商品市況の上昇や年度初めの価格改定の動きが反映された。前年比プラスは38カ月連続。前月比では0.3%上昇だった。

ロイターがまとめた民間調査機関の予測中央値は前年比プラス0.8%、前月比プラス0.3%だった。

前年比で最も押し上げに寄与したのは非鉄金属で、11.7%上昇した。中国需要の回復期待や銅地金の供給減少観測などがが意識され、銅の国際市況が急ピッチで上昇した。為替の円安や物流費の上昇なども反映された。

飲食料品も2.9%上昇し押し上げに寄与した。原材料や包装資材、エネルギーなどのコスト上昇を転嫁する動きがみられた。

全515品目中、前年比で上昇したのは395品目、下落は99品目。4月は年度初めということもあり、川中・川下製品でこれまでの原材料やエネルギーコスト、物流費の上昇分を価格転嫁する動きがみられたほか、人件費など諸コスト上昇を反映して価格改定するケースもあった。

輸入物価は円ベースで前年比6.4%上昇し、3カ月連続でプラスとなった。上昇幅は3月(プラス1.4%)から拡大し、23年3月(プラス9.4%)以来の大きさ。輸入品が使われていくことで、時間差を伴って国内企業物価に影響してくる可能性がある。

日銀の担当者は「海外経済の影響も含めた国際商品市況の動向、商品価格や為替変動を受けた輸入物価の動向、コスト変動分の価格反映も含めた企業の価格設定行動などを引き続き注視していく」とした。

*日銀の発表資料は以下のURLでご覧になれます。

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