発達障害グレーゾーンの子供77%、登校しぶりや不登校経験

新年度登校しぶりアンケート

パステルコミュニケーションは2024年5月10日、新年度の子供の登校についてのアンケート調査の結果を発表した。発達障害グレーゾーンの子供の76.7%が登校しぶりや不登校の経験があること、そのうち約半数は前年度から登校しぶりをしていることが明らかになった。

新年度は、クラス替えなど多くの環境変化をともなうため、発達障害グレーゾーンの子供はストレスがかかりやすく、登校しぶりになりやすい時期だという。そこで、発達障害グレーゾーンの困りごとを大人に持ち越さないことを目指すリサーチ機関「パステル総研」では発達障害・グレーゾーンの子供をもつ保護者を対象に、新年度の登校しぶりの状況や、登校しぶりへの対応で心配なことについてアンケート調査を実施した。調査は2024年4月12日から4月15日にかけて、インターネットで実施。対象は、発達科学コミュニケーション基礎講座の受講経験がある人/受講中の人、メルマガ読者、トレーナー・リサーチャー、セミナー参加者、nicotto塾生、計241名。

新学期の子供の状況は、「登校しぶりをしている」「不登校中」の人をあわせると57.1%にのぼり、半数以上の人が子供の登校に困りごとを抱えていることがわかった。また、「登校しぶりをしていた時期もあったが、今は登校しぶりはない」と回答した人を含めると、76.7%の人に、子供が登校しぶりや不登校の経験があることがわかる。

「登校しぶりをしている」と回答した人に、現在の登校しぶりの状況を聞いたところ「前年度からずっと登校しぶりをしている」と約半数の46.2%の人が長引く登校しぶりに対応していている。一度登校しぶりが始まると長期化の傾向があるようだ。新年度が始まって1週間ほどのタイミングで調査したが、「新学年になってから登校しぶりをしている」が9.7%と約10人に1人が登校しぶりになっている。発達障害・グレーゾーンの子供は環境の変化に敏感なため、新年度はとても負担が大きいことがわかった。

「登校しぶりをしている」保護者の心配ごとの最多は「子供のメンタルが不安定になっていること」26.9%で、「いつになったら元気に登校できるのか、先が見えないこと」21.5%、「休ませるべきか、登校させるべきかの判断」15.1%と続く。子供の気持ちを心配する一方、子供をサポートしている保護者も先が見えないことへの不安に悩んでいる人が多いことがわかる。

パステル総研では、子供にあった対応を知り、保護者が家庭で登校しぶりを解決するコツを小冊子にまとめて5月15日(予定)にリリースする。通知を受け取りたい人はメルマガへの登録を呼びかけている。

中川和佳

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