油を取ってスルスルやせる「MCTオイルダイエット」…実践した医師は2カ月で6キロ減

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「これまでダイエットはいずれも挫折。ところがMCTオイルで、体重が2カ月で6キロ減。内臓脂肪も減り、お腹がへこみました」

こう話すのは、山本メディカルセンター(神奈川)の齋藤真理子医師。MCTオイルって、「オイル」なのにダイエットにいいの? 話を聞いた。

MCTオイルは、ココナツの実などを原料とする植物油。油は油でも、短時間でエネルギーとなり脂肪として蓄積されにくい中鎖脂肪酸(Medium Chain Triglyceride)100%でできている。

「MCTオイルを小さじ半分程度、味噌汁やスープ、サラダやおかずにかけるだけ。無味無臭なので料理の味を邪魔せず、ぎとぎと油っぽくもなりません」(齋藤医師=以下同)

なぜMCTオイルがいいのか? 前述の「脂肪として蓄積されにくい」性質に加え、脂肪燃焼を促進する作用が期待できるからだ。

「痩せるためには体内の脂肪と糖を燃焼させなければなりません。MCTオイルを普段の食事にかけることで、体内の燃焼回路のスイッチがオンとなる。糖質などを摂取したときの代謝経路と、MCTオイルを摂取したときの代謝経路は異なるんです。ふたつの経路、つまりハイブリッドでエネルギー活動が行われるようになるため、ダイエット効果が出やすい」

さらにMCTオイルは人間の細胞内にあるミトコンドリアにも働きかける。ミトコンドリアは体内にため込んだ脂肪や糖を消費し、体を動かすエネルギー源「ATP」を24時間休むことなく合成する役割を担っている。「何をやっても痩せづらくなった」という場合、ミトコンドリアが役割を十分に担えなくなっている可能性がある。

「複数の研究でMCTオイルは、ミトコンドリアを保護し、ミトコンドリアのエネルギー代謝を活性化させるケトン体の濃度を高めることが示されています。MCTオイル摂取によってケトン体が増え、ミトコンドリアが活性化。それまで眠っていた脂肪を燃やしてエネルギーにする機能が呼び覚まされる。代謝が上がり、“何をやっても痩せづらい”という悩みから抜け出せることが期待できるのです」

ミトコンドリアは免疫力向上や疲れにくさにも関係しているといわれている。実際、齋藤医師はMCTオイルの摂取が日課になってから、体調が良く、疲れにくくなったと感じているそうだ。

何をやっても痩せられなかった人には特にお勧め

MCTオイルを使う上で知っておくべきことがある。

__■加熱しない
__ MCTオイルは一般的な油の中でも酸化しづらいといわれているが、発煙点が低く、150度くらいで煙が出るので、「炒め」や「揚げ」といった調理に使うのはNGだ。

「すでに調理された食べ物にかけるようにしてください。温かい料理にかけるのは問題ありません」

■最初はお腹がゆるくなることがある
「慣れるまでは少量で。体調を見ながら徐々に量を増やすといい。まれではありますが、MCTオイルが体質として合わない方もいます。しばらく続けてもお腹がゆるいようなら、摂取は中止してください」

__■摂取のベストタイミングがある
__「エネルギーを多く消費する朝と昼です。空腹時は胸焼けのような症状が出るかもしれません。ある程度食事を進めてからMCTオイルを料理にかけるといいでしょう」

__■ほどほどの量で
__ 脂肪として蓄積されにくいとはいえ、ゼロカロリーではない。

「1グラム当たり9キロカロリーあります。MCTオイルに限らず、体にいい食品であっても、取り過ぎは禁物です」

健康維持には運動も必須。MCTオイルと共にウオーキングなど続けられる運動を生活に取り入れよう。

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