新幹線長崎ルート 3者意見交換 長崎・大石氏、国含む協議提案 佐賀・山口氏、地元合意「難しい」

 九州新幹線長崎ルートの未着工区間(新鳥栖-武雄温泉)の整備方式を巡り、大石賢吾知事は13日、福岡市内で佐賀県の山口祥義知事、JR九州の古宮洋二社長との3者で意見交換した。大石氏は課題を解決するため、国を含めた協議が必要と提案し、3者での「地元合意」を訴える山口氏とは平行線をたどった。終了後の取材に山口氏は「新しい組み立ては難しい」と述べた。3者による意見交換は今後も続ける考えで一致したという。
 新幹線問題で3者が意見交換するのは初めて。JR九州本社で、非公開で約2時間話し合った。終了後、3人が別々に報道陣の取材に応じた。
 これによると、意見交換では整備費用の負担やルートの在り方なども議論。大石氏は全線フル規格化を求め、政府与党が推す佐賀駅経由ルート(アセスルート)が最も合理性が高いと主張。「(3者で)解を見いだすことは困難」と指摘し、国を含めた協議を求めた。古宮氏も「新幹線は国の事業。大きく決めるためには国が入らないと無理ではないか」と述べた。
 同区間について、佐賀県は在来線の利用以外に合意はない「未合意区間」と強調。アセスルートを白紙にした上で「地元で新たな合意形成を図るのも選択肢の一つ」と提起し、3者で「自由に意見交換したい」と呼びかけていた。

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