長崎県公立教員志願 初の1000人割れ 過去最低を更新 新卒者志願割合は約5割

長崎県公立学校教員採用選考試験志願状況の推移

 長崎県教委は13日、2025年度県公立学校教員採用選考試験の志願状況を発表した。全体の志願者数は917人(前年同期比84人減)で、記録が残る1998年度以降、初めて千人を下回った。採用予定者532人に対する倍率も1.7倍(同0.3ポイント減)で過去最低を更新。一方で新卒者の志願割合は約5割を占め、県教委は「教員を志す若者は減っていない」としている。
 志願者数はオンライン受験希望者を除く暫定値。志願者数は2003年度の2887人、倍率は09年度の14.8倍をピークに減少傾向にある。県教委は志願者数減の一方、定年退職者や特別支援学級の増などで採用予定数が高止まりしていることが倍率低下の要因としている。
 志願者の内訳は中学校219人、1.8倍(同0.4ポイント減)、高校236人、2.0倍(同1.3ポイント減)で、倍率はいずれも過去最低を更新した。小学校は280人で、倍率は過去最低だった前年と同じ1.2倍。特別支援学校は62人、1.4倍(同1.0ポイント減)だった。
 22年度試験から年齢上限を59歳未満に引き上げており、その後は民間企業経験者や50代の志願者が増加している。25年度の50代の志願者は48人となっている。
 民間企業の採用選考が早まっているのに合わせ、今回から試験を約1カ月前倒して実施。昨年度は教職経験のない教員免許所持者を対象としたセミナーを開催するなど、人材確保に力を入れているという。
 13日の定例教育委員会でも報告。教育委員からは、教員の奨学金返済支援事業の導入や退職者の活用推進などの対応を求める意見が上がった。

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