特集:第6回未来まちづくりフォーラム

2024年に「未来まちづくりフォーラム」は第6回開催を迎えました。混迷の時代に羅針盤となるSDGsを活用し、「協創力」で持続可能なまちづくりを考える本フォーラムでは、2024年を「ポストSDGs検討元年」と位置付け、来年開催される大阪・関西万博の取り組みや企業・団体、自治体、大学などの取り組みを共有し議論。危機的状況にあると言われるSDGsの達成について「日本の果たせる役割や可能性」を探りました。

①SDGsが「主流化」した時代、競争優位を実現するサステナビリティ経営を――第6回未来まちづくりフォーラム

カーボンニュートラルやDXといったさまざまな変革が求められる中で、世界共通言語であるSDGsがますます重要となってきている。そうした中、2030年の達成に向けて、政府のSDGs未来都市制度などまちづくりにおけるSDGsの活用が本格化している。「未来まちづくりフォーラム」は、SDGs活用によりまちづくりを促進し、各関係者が協働して価値を生み出すプラットフォームだ。今年6回目を迎えた本フォーラムは、サステナブル・ブランド国際会議2024東京・丸の内と同時開催され、内閣府地方創生担当大臣の自見はなこ氏から政府によるSDGsの推進、岡山県やさいたま市からはSDGsを活用したまちづくりについて講演があった。
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②2024年は「ポストSDGs検討元年」、経団連や万博協会が日本のこれからを議論

経団連の長谷川知子氏は、2023年9月にニューヨークに派遣した「経団連SDGsミッション」の調査を紹介し、「国連関係者はSDGsの達成について非常に強い危機感を持っていた」と明かす。

では、そのなかで国連が日本企業に期待しているものは何か。それは「技術と知見」だという。「日本の技術や知見を世界で発表し、それを共有・普及してほしいと求められた。その技術や知見を積み重ねてきた日本企業や政府がこれからの重要課題について正しく、かつ大胆に決断することこそ、SDGsの達成につながる」と展開した。
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③ポストSDGsは「18番目のゴール」の設定から始まる

GCNJで代表理事を務める有馬利男氏は、SDGsの世界的な進捗状況について、2023年の中間レビューを基に状況を報告した。SDGsインデックス145のうち、順調なのは15%であり、軌道を外れているものが48%、後退・停滞しているのが37%だと説明。グテーレス国連事務総長の「このままだと、SDGsという言葉は墓場に刻まれる言葉になりかねない」という言葉を引用し、「つまりSDGs達成は危機的状況にある」と訴えた。

GCNJは2016年以来毎年、加盟している日本の企業・団体を対象に、SDGsへの取り組み進捗を調査している。有馬氏は2021年と2022年の結果を比較したグラフを示し、SDGsの「目標3健康と福祉」以外の項目は重要度が増している結果だったと説明した。
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④地域事情に合った脱炭素に向けて、自治体がプラットフォームのコーディネーターに

環境省の三田裕信氏は「地方自治体は住民と近いという立場を生かして、地域の課題解決を地域と密着して進めていくのが不可欠」と基本的な考えを話した。一方で、地域ごとに課題が多岐にわたることもあり、三田氏は「脱炭素の取り組みを他の課題とセットで進める意識が大切」とも指摘した。

環境省としては、「地域脱炭素ロードマップ」に基づき、2025年まで、人材、技術、情報、資金を積極支援する方針を打ち出している。具体的には、脱炭素先行地域(民生部門におけるCO2排出の実質ゼロを達成した地域)を100カ所に増やすとの目標を掲げている。
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