総体重540kg超の異色バンド・デラックス×デラックス 満員御礼ライブで誓い「最高の景色に連れていきます」

新宿ReNYでライブを開催したデラックス×デラックス

昭和歌謡をルーツにした楽曲の数々で観客を魅了

沖縄出身、楽器隊4人の総体重が540キロ超で話題の7人組ロックバンド・デラックス×デラックス(通称:デラデラ)が全国ライブツアー「瞬け★デラックス×プラネットツアー」の東京公演を11日、新宿ReNYで開催した。チケット完売御礼となった同公演。詰めかけた満員の観客をパワフルなパフォーマンスで魅了した。(文=中村彰洋)

全国33か所のライブハウスを巡る同ツアー。この日は今年初めての東京でのライブとなった。ソールドアウト公演ということもあり、老若男女幅広いファンが会場に集結し、メンバーの登場を待ちわびた。

デラデラは昭和歌謡をルーツにした楽曲を数多く発信するロックバンド。2016年に結成された。リーダーのボーカル・アサガオを筆頭にギター・スイレン、ベース・スズラン、ドラム・サクラの100キロ超の音楽隊に加え、SPとして、中央守備・コク、下手守備・ラシ、上手守備・シダからなる7人組だ。SPのコクがDJ、ラシとシダはダンサーを務める。

壮大なSEとともに順々にメンバーがステージに登場すると大歓声が巻き起こり、ライブは『飼いならされたいの』から幕を開けた。3曲目に披露した『DESIRE』(中森明菜)のカバーではバンドサウンドに乗せながら、デラデラらしく歌い上げ、観客のボルテージを上げた。

3月31日にはフジテレビ系『千鳥の鬼レンチャン』に出演するなど、活躍の場を広げている。MCで「初めて見るよって方」とアサガオが呼びかけると、4割近くの人が手を挙げた。着実にその知名度は広まっていっているようだ。

また、グッズ紹介のコーナー「デラックス・グッズ・コレクション」(DGC)では、「DGC」という4つ打ちの専用のオリジナルBGMに乗せるこだわりよう。SPがタオルやTシャツを丁寧に説明するといったオリジナリティーあふれる完成度だった。

ステージ外にはけていたアサガオが右手にチキンを持って再登場。「ステージドリンクがあるんだったら、ステージチキンも」と説明し、ステージ上で実際にチキンをほおばる姿も見せるなど“デラックス×デラックス”らしさを見せつけた。

圧巻のステージングに観客は熱狂

その後もオリジナル曲を中心に、『真夜中のドア~stay with me』(松原みき)、『ラヴ・イズ・オーヴァー』(欧陽菲菲)などのカバー曲も披露。伸びのある歌声やパワフルなバンドサウンドといった圧倒的なステージングで観客を魅了した。

ライブ中にはニューシングル『アイ エキゾチック』が5月13日から配信スタートされることも発表。また、今回が8周年記念のライブとなるとし、アサガオは「20歳になる年から始めたので、20代という1番大事な時期をデラックス×デラックスに捧げた」と思いを語った。

さらに、最後のMCでアサガオは「どんどんデラックス×デラックスは大きくなっていきます」と宣言。「絶対皆さんを最高の景色に連れていきます」とさらなる飛躍を誓い、熱い思いを投げかけた。そして、本編は『セクシー★ダイナマイト』で幕を閉じた。

客席からはアンコールならぬ「マ~シ、マシ!」の掛け声が鳴り響き、メンバーが再登場。『ダンシング・ヒーロー』(荻野目洋子)、『LOVEマシーン』(モーニング娘。)と昭和平成のヒットチューンを披露し、ラストは『一夜一夜に人見頃』でステージを締めくくった。

総体重が540キロ超というビジュアルが目を引くが、ライブでのパフォーマンスはまさに本格派。数多のライブをこなしているだけあって、ステージ上での魅せ方は圧巻の一言だった。また、SPとして出演する3人のキレのあるパフォーマンスも見どころの一つとなっていた。

メロウからアップチューンまでバリエーション豊かな楽曲の数々だが、いずれもどこか懐かしさを感じる歌謡ロックとなっている。これが幅広い世代から支持を受けているゆえんといえるだろう。

同ツアーは現在も開催中。7月21日には東京・LIQUID ROOMでの公演が予定されている。中村彰洋

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