親会社HYBEと激しい葛藤を見せているNewJeansの所属事務所ADORのミン・ヒジン代表らに、未公開情報を利用して株式を売買したとの疑惑が出ている。
5月14日、とある韓国メディアによると、HYBEは同日、金融監督院に風評流布と未公開情報利用などの資本市場法違反の疑いで、ADOR副代表A氏に対する調査要請陳情書を提出するという。
さらにHYBEは、ミン・ヒジン代表を含めた他のADOR経営陣に対しても金融監督院に調査を要請するとのことだ。
下がる前にHYBE株を売却した?
HYBE側は、ミン・ヒジン代表らが株価に悪影響を与えるために、HYBE傘下レーベルのアーティストが別のアーティストを“盗作した”との情報を流布するなど、詐欺的な不正取引を行った疑いと、相場操作行為で投資家に損害を与えた容疑を調査の理由として挙げている。
HYBEの理屈はこうだ。
ADORの副代表A氏が4月15日、保有していたHYBEの株式950株をすべて売却している。このタイミングは、ミン・ヒジン代表らADOR経営陣がHYBEの経営不良とADORへの差別待遇など各種疑惑を提起する、いわゆる「2次メール」を送る一日前だ。そのメールによって世論戦が始まれば、HYBEの株価が下がることは避けられないため、前日にすべて処分した…。
A氏が売却したHYBE株は、計2億ウォン(約2000万円)規模に上る。実際に21万5000ウォン前後だったHYBEの株価は、ミン・ヒジン代表との葛藤で19万ウォン台に急落した。HYBEの主張が正しければ、A氏は事前に数千万ウォン(数百万円)の損失を回避したことになる。
一方でミン・ヒジン代表側は「HYBEによる監査の着手が公開されたのは4月22日で、株式を売却した時点よりも後だ」とし、「それを予想して事前に売却したというのは話にならない」と反論している。
なお、ミン・ヒジン代表の解任をめぐるADORの臨時株主総会が5月31日に開かれることが決まった。HYBEはADORの持分80%を保有しているだけに、ミン・ヒジン代表を単独で解任できる状況だ。
ただミン・ヒジン側は裁判所に、HYBEの議決権行使を阻止する仮処分を申請しており、裁判所がミン・ヒジン代表側の申請を受け入れれば、臨時株主総会での解任は実現しない可能性が高い。裁判所の判断は5月17日に下される予定だ。