午前の日経平均は小反発、米インフレ指標にらみ方向感出ず

Hiroko Hamada

[東京 14日 ロイター] - 午前の東京株式市場で日経平均は、前営業日比19円64銭高の3万8199円10銭と、小幅に反発した。今日と明日に公表される米インフレ指標を確認したいとの思惑で積極的な買いは手控えられ、方向感のない展開となった。一方、決算など個別材料を手掛かりにした物色もみられた。

日経平均は前営業日比108円高と底堅くスタートした。指数寄与度の大きい銘柄が買われ、前場序盤には298円高の3万8477円68銭まで上昇する場面があった。ただ、日経平均は3万8500円が近付くと上値が重く、次第に利益確定売りに押されて上げ幅を縮小。前場終盤にかけては前日終値を挟んで一進一退となった。

市場では「ピークを迎えた決算は慎重な見通しを示す企業が多く、(決算発表自体が)買い材料にはならなかった印象」(SBI証券の投資調査部長・鈴木英之氏)との指摘が聞かれた。業績を手掛かりに日本株を買い上がっていく展開は見込みづらく、目先の日経平均は横ばい圏での推移が続くのではないか、という。

TOPIXは0.04%安の2722.94ポイントで午前の取引を終了。東証プライム市場の売買代金は2兆4872億5400万円だった。東証33業種では、その他製品、海運、サービスなど11業種が値上がり。証券、保険、ゴム製品など20業種は値下がりし、建設、医薬品は変わらずだった。

個別では、アドバンテストが上昇。前日発表された決算や傘下の英半導体設計大手アーム・ホールディングスの株価上昇を受けて、ソフトバンクグループが1%超高となった。大規模な自社株買いが好感されたTOPPANホールディングスは9%超高。

一方、東京エレクトロン、ファーストリテイリングは安い。

プライム市場の騰落数は、値上がり601銘柄(36%)に対し、値下がりが1015銘柄(61%)、変わらずが33銘柄(2%)だった。

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