EXCLUSIVE-米台の海軍、4月に非公表で合同演習 中国は周辺で「巡回強化」

[台北 14日 ロイター] - 米国と台湾の海軍が4月に西太平洋で合同軍事演習を非公表で実施したことが、関係筋の話で明らかになった。中国の軍事的脅威が高まる中、米台両軍は協力を強化している。

中国が米台両軍の接触に反対しているため、軍高官の訪問や合同訓練などの行事は公表されないことが多い。

4月の合同演習は公式には存在しておらず、「海上の不慮の遭遇」の結果として行われた訓練だと説明することが暗黙の了解になっているという。

演習は数日間行われ、通信や補給といった基本訓練が目的だった。双方からフリゲート艦や補給艦を含む海軍艦艇数隻が参加したという。

台湾海軍は声明で、海上での不測の事態に対処し、互いの「干渉」を最小限に抑えるために、他国艦船と遭遇した場合のルールを定める「海上衝突回避規範(CUES)」に沿って行動していると説明。

米国防総省はコメントを避けた。

中国外務省は米台の軍事関係に改めて反対を表明。台湾との軍事結託という「誤った行為」をやめるよう米国に求めた。台湾当局に対しては、武力で独立を図り「再統一」に抵抗すれば失敗に終わると警告した。

ロイターは、台湾海軍の唐華司令官が米国を先月に訪問し、米台海軍の協力強化について話し合ったと伝えた。

ハワイで今月行われた米インド太平洋軍の司令官交代式に台湾軍の梅家樹参謀総長が出席したことも判明している。

台湾によると、頼清徳新総統の就任を間近に控え中台の緊張が高まる中、14日には中国の戦闘機が台湾海峡の非公式な境界線を越えるなど、中国は再び「戦闘準備パトロール」を行っている。

台湾国防部(国防省)は、現地時間午後5時(日本時間午後6時)から、Su-30戦闘機を含む23機の中国軍機が軍艦とともに「共同戦闘準備パトロール」を行っているのを確認したと発表した。このうち計15機が、台湾海峡の中央線を越えるかまたはその付近を通過し、台湾空域に飛来したという。

台湾が中国の「共同戦闘準備パトロール」を確認したのは、この1カ月で少なくとも3回目。

中国国防省のコメントは得られていない。

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