“天下り”でMCを指定され、拒否すると番組自体を廃止?韓国公共放送KBSのドタバタ劇、緊急記者会見へ

とある韓国の長寿番組がMCの起用をめぐり、“天下り疑惑”に包まれた。

番組自体の廃止説まで浮上しているなか、韓国公共放送局KBSのプロデューサーらは緊急記者会見を開き、現状に対する声を上げる予定だ。

5月14日、ソウル永登浦(ヨンドゥンポ)のKBS本館ではKBS PD協会が緊急記者会見を開き、5月13日に知らされた番組『歴史ジャーナルその日』(原題)の騒動について話す。

同日の緊急記者会見には、KBS PD協会のキム・セウォン会長、キム・ウンゴン副会長、言論労組KBS本部のチョ・エジン首席副委員長、キ・フンソク時事教養中央委員などが出席する予定だ。

KBS PD協会は「KBSの長寿歴史番組『歴史ジャーナルその日』が、“天下りMC”によって廃止の危機に追い込まれた。ぜひ参加していただき、質問を投げかけていただくことで、孤独に戦う演出たちが世の中にその声を伝える機会を与えてほしい」と伝えた。

会社が“天下り”を要請?

(写真提供=OSEN)ハン・ガイン

先立って『歴史ジャーナルその日』制作陣が女優ハン・ガインを新しい番組MCに決定し、初放送を準備中だったが、会社側によって無期限の暫定中断通知を受けることになったと知らされた。

『歴史ジャーナルその日』は2013年に初放送され、今年2月に終了。制作陣によると、再整備した後に視聴者に会う予定で、番組MCやパネラー、専門家の渉外、台本まで終えた状態だった。

しかし会社側が、大統領直属の国民統合委メディア特委委員などを務めた元KBSアナウンサーのチョ・スビンを“天下り”させてMCとして押し付けようとし、それが失敗に終わると、放送を廃止することになったという。

シン・ドンジョ、キム・ミンジョン、チェ・ジニョン、カン・ミンチェPDは声明を通じて、「4月30日に予定された改編初放送の撮影を3日後に控えた4月25日、イ・ジェウォン制作第1本部長がイ・サンホン時事教養第2局長を通じて、チョ・スビンを“天下りMC”に座らせることを最終通知した」とし、「すでに第5回までの内容構成と出演者の渉外まで完了した状態だったが、撮影直前にイ・ジェウォン本部長がチョ・スビンを“天下りMC”に内定した。そして事実上、番組廃止を通知した」と明らかにした。

(写真提供=OSEN)チョ・スビン

一方で、“天下りMC”と名指しされたチョ・スビン側は「渉外の要請を受けた事実はない」と発表。チョ・スビンの所属事務所は「進行者の渉外要請を受けた事実はない。また、その番組の進行者選定と関連して、KBS内部でどんな議論があったのかまったくわからない」と伝えた。

そして「何よりも報道でチョ・スビンを“天下り”と表現し、同時に特定の時刻に合わせて偏向性と連結させたことに遺憾を表わす」と話した。

もともと番組MCに内定していたハン・ガインにとっては、非常に複雑な心境だ。いずれにしても緊急記者会見でどんな話が飛び出すか、注目が集まっている。

(記事提供=OSEN)

◇ハン・ガイン プロフィール

1982年2月2日生まれ。慶煕大学観光経営学科卒業。2002年のドラマ『太陽の誘惑』でデビュー。映画『マルチュク青春通り』でヒロインを務め、韓国の“初恋のアイコン”に。2005年に俳優のヨン・ジョンフンと電撃結婚。23歳で人妻になってしまったことに、多くの男性ファンが嘆き悲しんだが、映画『建築学概論』とドラマ『太陽を抱く月』の2作で大ヒットを記録。数字を出せる女優というイメージも定着した。大韓整形外科学会が一般人と医療従事者290人を対象にした「美しい顔立ち」アンケート調査で、「鼻が美しい女優」1位にも輝いたことも。

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