ノボノルディスク、「ウゴービ」の試験で体重減少効果が4年持続

Maggie Fick

[ロンドン 14日 ロイター] - デンマークの製薬大手ノボノルディスクは14日、イタリアのベネチアで開催された欧州肥満学会の会合で、同社の肥満症治療薬「ウゴービ」の大規模臨床試験から得られた新たな長期データを発表し、同薬を4年間服用した患者が当初から体重が平均で10%減少した状態を維持したと明らかにした。

ノボノルディスクの開発責任者、マーティン・ホルスト・ランゲ氏はこの試験について、ウゴービと同社の糖尿病薬「オゼンピック」の有効成分である「セマグルチド」に対して同社がこれまでに実施した減量の試験としては最長だと指摘。いったん体重減少の大部分を達成した後も薬を服用し続ければ、体重が再び増えることはないと説明した。

このデータは、同社がウゴービの保険適用について保険会社や政府を説得するための材料となる可能性がある。

英アングリア・ラスキン大学のサイモン・コーク博士は、英国の公衆衛生当局がウゴービの適用期間を2年間に制限したのは、長期的な有効性に対する疑念が理由だったと指摘。効果が4年継続するとの新たなデータは、この疑念の解消につながるかもしれないと語った。

患者1万7604人が参加した試験は、ウゴービの減量効果ではなく、糖尿病ではないが心臓病の既往症がある肥満症の人を対象に心臓保護効果を調べた。

ウゴービの服用開始から65週間後、患者の体重は平均10%近く減った。この体重減少率は約4年後までほぼ維持され、減少率は10.2%となった。

この試験での体重減少率は、2021年6月に米国で発売前に実施した肥満症試験での平均15%より少なかった。

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