乙武氏&尾木ママ 教員の“定額働かせ放題”改善案を批判「無知・無能極まりない」「小手先の改革」

乙武氏と尾木ママ

作家で元教員の乙武洋匡氏と、教育評論家の〝尾木ママ〟こと尾木直樹氏が怒りの声を上げた。

中教審の特別部会は「定額働かせ放題」とも揶揄される教職員の労働環境について、処遇改善や残業削減といった教員確保策の提言をまとめ、盛山正仁文部科学相に提出した。柱となるのはベースアップで、公立校教員に残業代の代わりに上乗せする月給4%相当の「教職調整額」を2・5倍以上となる「10%以上」に引き上げる。また、11時間を目安とする「勤務間インターバル」の導入するという。

これに教員からは、長時間労働抑制につながらず、教職人気回復への効果は限定的との指摘が相次いでいる。

乙武氏は14日に自身のX(旧ツイッター)を更新。「『4%→10%』は一見すると大幅増に見えますが、例えば月給30万円であれば1・2万円→3万円の増額に留まります」と指摘した上で「こうした小手先の改革で、月間80時間以上もの残業を強いられている 教員の働き方改革が進むとは思えません」とバッサリ斬り捨てた。

尾木ママも同日に自身のブログを更新。「またまた中教審が無知・無能極まりない教員給与・待遇改善策?を打ち出したから呆れ果てて言葉を失う!」と断罪した。

続けて「自宅への持ち帰り仕事も含めて残業代はゼロ 際限なく働かせようというやり方 常に教員不足 教師の成り手いない現状が益々酷くなることは明らかです」と指摘。

教員は授業のほかに、教材研究や雑務、こどもに対する理解、保護者対応、会議、研修などがあるとして「お金かけて教員の待遇改善、働き方改革 本気で取り組まないとだれも先生にならないと思う尾木ママです」と警鐘を鳴らした。

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