物流は向上したが、住民「眠れない」 近接家屋まで1m余り…元町道が国道に、現場で何が? さつま・佐志IC近く #こちら373

徐行を促す看板が設置された佐志インターチェンジそばの国道504号=さつま町田原

 地域高規格道路「北薩横断道路」の広瀬道路開通に伴い、鹿児島県さつま町広瀬の佐志インターチェンジ(IC)近くの住民から「交通量が急増し、騒音や振動が激しく生活に支障が出ている」との声が南日本新聞に寄せられた。現場を確認し、道路管理者の鹿児島県に補修工事などの対応を聞いた。

 現場は、佐志ICからファミリーマートさつま町田原店前の交差点に延びる約350メートルの区間で、片側1車線。町道だったが、3月17日の広瀬道路開通に伴い国道504号となり、現在は鹿児島県が管理する。

 同区間のうち交差点近くには民家が立ち並び、道路西側は歩道もなく家の敷地が1メートル余りに迫る。広瀬道路開通で佐志ICの供用が始まり、交通量が急増。住民から「大型車の通行で震度1、2ほどの揺れは日常茶飯事」「朝早くからの騒音で眠れない」との声が上がるようになった。

 困惑の声は4月上旬に町や県に届けられ、北薩地域振興局の職員らが現場を調査。騒音や振動発生の原因の一つとして、路面上のマンホール周辺2カ所の段差を確認し、同17日の補修工事で解消を図った。徐行を促す看板も設置されるなど応急策が取られた。

 道路そばに住み40年以上の80代女性は、車庫の置物が振動で落ち割れたこともあった。「補修で揺れはやや軽減したが、抜本的な解決に至っていない。今更引っ越せず、何とかしてほしい」と不安を口にする。

 県は今後も交通量の調査などを実施し、路面の傷みや道幅が狭い同交差点の改良も検討する。担当者は「引き続き関係機関とも情報共有し、対応できることは進めたい」と話した。

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