ロブ・ハルフォード「若い人たちには自分らしい道を見つけさせなくては」

ジューダス・プリーストのフロントマン、ロブ・ハルフォードが、1980年代半ば、米PMRC(ペアレンツ・ミュージック・リソース・センター)が発表した、子供たちに接して欲しくない音楽のリスト<The Filthy Fifteen(最も不愉快な15曲)>にジューダス・プリーストの楽曲「Eat Me Alive」が含まれていたことを振り返り、現代社会との類似点を指摘した。

<The Filthy Fifteen>では以下の15曲が選ばれていた。

プリンス「Darling Nikki」
シーナ・イーストン「Sugar Walls」
ジューダス・プリースト「Eat Me Alive」
ヴァニティ「Strap On ‘Robbie Baby’」
モトリー・クルー「Bastard」
AC/DC「Let Me Put My Love Into You」
トゥイステッド・シスター「We’re Not Gonna Take It」
マドンナ「Dress You Up」
W.A.S.P.「Animal (F**k Like A Beast)」
デフ・レパード「High ‘n’ Dry (Saturday Night)」
マーシフル・フェイト「Into The Coven」
ブラック・サバス「Trashed」
メリー・ジェーン・ガールズ「In My House」
ヴェノム「Possessed」
シンディ・ローパー「She Bop」

最近、米ニューヨークのラジオ局93.9 WABYのインタビューで、このリストについて問われたハルフォードはこう語っている。「どこから始めたらいいことやら。若い人たちにはありのままの自分でいさせるべきだ。人生において自分らしい道を見つけさせるべきだ。キャンセル(・カルチャー)ってものは奇妙だ。そんなに大ごとではない。クリックベイトだ」「若い人たちの大半は美しく、優しく、自分の人生を生き、前進しようとしている。それがソーシャル・メディア、TMZなんかが横から焚きつけようとしているわけだ」

「俺が、特に若い人たちにとってアンフェアだと思うのは、彼らは若く、大部分において経験不足だ。自分の感情にどう対応したらいいか、いじめに遭ったり、ソーシャル・メディアで攻撃されたときどう対処したらいいか、わからない。それはすごいダメージになりかねない」

<The Filthy Fifteen>に挙がったことについては、「ああ、だが、PMRCのことはきつかったな。ワシントンD.C.のパワフルな政治家たちが支持してたんだから。要するにあれは行政の紋切り型の仕事だったんだよ。彼らはヘヴィ・メタルのことなんて何も知らなかった。ヘヴィ・メタルの音楽が人々にもたらす喜びや楽しみ、ポジティヴな面については全くわかっていなかった」と話している。

PMRCの検閲の提案に対しては、フランク・ザッパ、ジョン・デンバー、トゥイステッド・シスターのディー・スナイダーらが、反対側の証人として1985年に開かれた上院公聴会に出席した。ハルフォードは、スナイダーについて「そこへ出向き、素晴らしい役目を果たした俺の友人。愛している」と称えている。

Ako Suzuki

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