県が補助制度創設、若者の地域活動後押し 郷土愛醸成、地元定着の促進図る

山形県庁(資料写真)

 若者が地域とのつながりを深めながら、柔軟な発想力を生かして課題の解決や元気創出に取り組んでもらおうと、県は本年度、活動費を支援する「若者がつなぐ・つながる地域おこし推進事業費補助金」を創設した。活動を通じて若者に地域の魅力を再確認してもらい、郷土愛の醸成と地元定着の促進に結び付ける。

 県社会的移動人口調査(2022年10月~23年9月)によると、年齢別の転出超過数は最多の23歳(612人)を筆頭に進学、就職といったタイミングでの県外流出が目立ち、18~24歳の合計は2481人。若い世代の地元定着が人口減少対策の鍵となっている。

 県は、若者が地域で活躍できる環境の構築に向けて13~19年度、「やまがた若者チャレンジ応援事業」と銘打った活動支援を展開した。プレゼンテーション審査を経て年に10件ほど、縁結びや高齢者宅の清掃といった取り組みを後押ししてきた。新たな補助金は、新型コロナウイルス禍による交流機会減少も踏まえ、若者と地域のつながりを創出するため、補助対象を約20件に拡大し、プレゼン審査の省略など間口を広げて助成団体を募る。

 村山、最上、置賜、庄内の地域ごとに5件ほど、原則先着順で、20万円を上限に経費を助成する。申請要件は、県内在住か出身の15~39歳(中学生を除く)を2人以上含み、在籍メンバーの過半数が若者の団体で、本年度新たに県内で取り組む活動に限定する。12月20日まで、活動場所となる市町村を管轄する総合支庁に申請書を提出する。

 県多様性・女性若者活躍課は、相談対応や「若者サポーター」紹介などの「若者支援コンシェルジュ」事業の活用も促しつつ、学生らによる地域活動の活発化を狙う。担当者は「若者らしい自由な発想で、地域を元気にする取り組みに期待したい」と話している。

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