「ほぼ原価」奥出雲和牛ステーキ丼ランチ 広島市中心部に穴場のお店「プロチダ」 仁多米おかわり自由

奥出雲和牛が安価で食べられる「ステーキ丼ランチ」=広島市中区、プロチダ

 夜は華やかなパーティー会場、昼は気軽なダイニングとして広島市中心部で親しまれる「プロチダ」(広島市中区立町)。本格的な奥出雲和牛のステーキ丼が安価で楽しめる穴場として広く知られ、広島に住む島根県出身者らにも人気を博している。

 店舗は、化粧品や宝石を販売する会社で働いていた長谷川千恵社長(66)=島根県飯南町上赤名出身=が中心となり、顧客がゆったりとくつろげるような場をつくろうと2016年11月に開業。スタッフにも島根県出身者が多く、広島市中心部に島根の食材が楽しめる飲食店が少なかったことから奥出雲和牛をメインに据えた。

 昼夜の営業ともに看板メニューは奥出雲和牛のステーキ。広島市内の老舗ホテルの料理長の監修を受けて焼き上げる。ランチタイムは1日5食限定のステーキ丼(2千円)が目玉だ。

 「ほぼ原価」(長谷川社長)という値段設定は「ランチで店を知ってもらい、夜の営業で利用してもらいたい」との狙いもある。魅力的な食材や価格設定で店の存在を知った顧客が、企業の歓送迎会などで使用することも少なくないという。

 ランチではこのほか、島根県産の若鶏の竜田揚げや照り焼き、豚ロースの生姜焼き定食(いずれも千円)も人気メニューだ。ごはんは奥出雲町内の農家から直接仕入れた仁多米。「主役の和牛がどんなに優れていても、ご飯がおいしくないといけない」とのこだわりから、炊きたてをおかわり自由で提供する。周辺のビジネス街で働くビジネスマンらの胃袋をつかみ、リピーターも多い。

 島根の食材が充実しており、島根県出身の広島在住者でつくる「在広島根県人会」の会員が利用することも多い。そこから人の輪が広がり、島根県出身者が中学や高校の同窓会などを開催するスペースとしても定着しつつあるという。

 長谷川社長は「記念に残るような素敵な時間を過ごしてほしい。そうした場にふるさと島根の食材で花を添えたい」と意気込む。

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