【メッツ】藤浪晋太郎が今季初のメジャー昇格も即IL入り 米メディアは「合理的だ」と評価

藤浪晋太郎

もはや無用の長物なのか。メッツは13日(日本時間14日)、藤浪晋太郎投手(30)を今季初めてメジャーに昇格させ、右肩痛のため15日間のIL(負傷者リスト)に入れたと発表した。

傘下3Aシラキュースで11日(同12日)に7日間のILに入っていたが、その時点で詳細は明らかにされていなかった。マイナーでILに入ったままのメジャー昇格は異例だが、契約内容も含め何らかの手続き上の措置とみられている。

いずれにせよ、ここまでの藤浪は惨たんたる成績に沈んでいる。メッツとは1年契約で年俸335万ドル(約5億円)に加え、85万ドル(約1億3000万円)のインセンティブも盛り込まれており、球団側からの期待値も高い。にもかかわらずオープン戦で5試合に登板しながらも防御率12・27の大乱調で、開幕前の3月23日(同3月24日)にマイナーへ降格。3Aでは9試合に登板し、7回2/3を投げ、防御率14・09と制御が利かない数字になっていた。四球の数もマイナーで今季通算17と制球の悪さは相変わらずだった。

IL入り前の最後の登板は3日(同4日)の敵地ナショナルズ傘下3Aロチェスター戦。ここでも不安定ぶりが目立ち、3番手としてマウンドに上がったものの2イニングを投げ、1安打2失点、4四球と5試合連続失点を記録し、その状態の悪さにはメッツ側も頭を抱え込んでいた。

戦力にならないはずの藤浪をあえてメジャーに昇格させたメッツ側の意図について、米紙「ニューヨーク・ポスト」のマイク・プーマ記者はXで「合理的だ」と解説。「メッツがシンタロウ・フジナミを呼び戻し、右肩の故障でILに入れたことは理にかなっている。チームはいずれ40人のロースターの枠を必要とするだろうし、フジナミをメジャーに昇格させることで、必要であれば60日間のIL登録を行って延長させ、40人ロースターの枠を取り戻すことができる」とした。腐心するメッツ側が現状では藤浪を戦力として計算に入れておらず、事実上の〝飼い殺し〟にして何とかチームに有益をもたらそうとしているのではないかと分析している。

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