外国人児童生徒の支援「国がバックアップを」 3134人が在籍の川口市、国に要望 “人道支援”の負担大きく

視察した文科省、出入国在留管理庁職員らに説明する奥ノ木信夫市長(右)=13日午後、埼玉県川口市西川口の市立仲町中学校

 埼玉県川口市は13日、国などに対し、外国人児童生徒の支援などに関する要望を行った。

 市教委指導課などによると川口市の市立小中学校には4月1日現在、3134人の外国人児童生徒が在籍しており、そのうち1538人(小学1267人、中学271人)が特別な教育課程による日本語指導を受けている。

 外国籍の子どもは本来、日本の義務教育への就学義務はないが、市は国の求めに応じ、国際規約等を踏まえ就学を希望する場合には日本人と同様の教育を行っている。在留資格を持たず、市に滞在する外国人家庭に対しても、就学を希望する子どもがいる場合には必要な支援を行っており、費用や教員確保は市の大きな負担となっている。

 要望書では在留資格を持たない外国籍児童生徒に対する就学援助費用について、新たな国庫補助制度を設けることや、「帰国・外国人児童生徒等教育の推進支援事業」制度の継続と補助増額、不法行為を行う外国人に対し法に基づき厳格に対処し、自治体に実務的・費用的負担をかけないよう求めた。

 要望書は文部科学省、法務省、自民党宛てに提出され、提出に先立ち、同党の黄川田仁志、井原巧両衆院議員、文科省、出入国在留管理庁職員らが多くの外国籍の児童生徒が学ぶ市立仲町中学校、市立芝南小学校を視察。市教委担当者から日常生活を送るためや授業を受けるために必要な、基礎的な日本語を学習している状況などについて説明を受けた。

 取材に応じた奥ノ木信夫市長は記者団に「教育、医療、生活指導など人道支援に対する市の支出は大きな財政負担。国が仮放免者、外国人入国を認めている以上、最終的には国が責任を持ってバックアップしてほしい」と話した。

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