「リハビリ期間に溜め込んだ気持ちを試合にぶつけたい」左膝の負傷で戦線離脱中の湘南FW根本凌が復帰への想いを明かす

今季に栃木SCからレンタルバックした湘南ベルマーレのFW根本凌が、怪我からの再起へ向けて順調に歩んでいる。

根本は2022年に鹿屋体育大から湘南に加入。同年6月から活躍の場を栃木に移すと、半年でリーグ戦5得点をマークした。翌年も栃木でのプレーを選択し、夏までに6得点を決めたが、8月26日の水戸ホーリーホック戦で左膝前十字靱帯を断裂。全治8か月の大怪我で、現在は復帰を目ざしてリハビリ中だ。

トレーニングではいまだに全体練習には合流できていないものの、アジリティを中心に、徐々にハードなメニューを取り入れている段階だ。5月6日の練習終了後には、ピッチの周りでジョギングとスプリントを繰り返し、動きを確認。根本は現在の身体の状態を次のように明かす。

「だいぶ、走れるようになってきて、アジリティの、反応の部分も上げられるようになってきました。靭帯自体は、もう少し時間がかかりそうで、あと1~2か月くらいで復帰できれば、という感じです。長かったですね」

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一度大きな怪我をしてしまうと、強く踏み込めなかったり、全力で走れなかったりと、恐怖心が出てしまうという話はよく耳にする。根本は、そういった気持ちをどう取り除いていくのか。

「怪我をした時も、『自分は大きい怪我をしないだろう』と思っていたなかで怪我をしてしまった。一生懸命やって怪我をするのは仕方ないことです。怪我をするかもしれないといって、躊躇をして、ボールを奪えなかったり、ゴールを決められなかったりすれば、それが一番、のちに後悔してしまうと思う。今は恐怖心よりも、リハビリ期間に溜め込んだ気持ちを試合にぶつけたい想いの方が強いです」

ポジションを争うルキアンや福田翔生、鈴木章斗らが結果を残すたびに、焚きつけられるものもあるのだろう。根本は最後に、復帰への想いを語った。

「怪我の期間で、自分の特長を今のチームでどう活かすか、というのを考えてきていますし、それを上手く表現できれば結果もついてくるはず。復帰したら、まずはチームが勝つための仕事をしていきたいです」

根本は湘南のホームタウンの茅ヶ崎市出身。自分のルーツとなった街に恩返しをするためにも、一日でも早く復帰し、ピッチを駆ける姿をサポーターに見せたいところだ。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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