知っておくべき「今後伸びるビジネス」とは?将来性も経済インパクトも大きい注目キーワードランキング

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日経BPは5月14日、「今後伸びるビジネス」ランキングを発表した。

ランキングは、同社のマーケティング専門メディア「日経クロストレンド」が作成した「トレンドマップ 2024上半期」中から、注目のキーワードを「将来性」と「経済インパクト」ごとにランキング化したもの。

トレンドマップは、変化が激しい「マーケティング」、「消費トレンド」、「テクノロジー」の潮流を見極めるため、日経クロストレンドの外部アドバイザリーボード約50人と、同媒体の記者など各分野の専門家の知見を集約し、作成したものだという。

注目すべき「今後伸びるビジネス」とは?

最も将来性がありそうなビジネスは?

まずは将来性のランキングを見てみると、マーケティング分野では3位に「チャットbot(対話型AI含む)、2位に「CX(顧客体験)がランクイン。1位は「サブスクリプション型コマース」だった。

サブスクリプションといえは動画や音楽の配信サービスのイメージが強いかもしれない。しかし、パナソニックが小型食洗機「SOLOTA」を月額1290円で提供していたり、花王のスキンケアブランド「Curél(キュレル)」の専用機器と化粧液を月額3980円で提供していたりするなど、多種多様なサブスクリプションサービスが誕生しており、成長の余地が大きいことが予測されているという。

消費トレンド分野では、「TikTok売れ」「共働き」が同率3位、「節約志向」2位がランクインするなど、世相がよく表れた結果に。

原材料費の高騰が続き、価格の再値上げを迫られる企業も多い。専門家らは「価格・料金に対して敏感になった消費者のブランド離反を防ぐために有効な手立てを打てることがより肝要になる」と指摘した。

そして1位は外国人客向けに外国語対応のオンラインショップなどを展開する「越境EC」だった。前回の調査に比べ、将来性スコアが最も大きく伸びたという。

テクノロジー分野では、3位「フードテック」、2位「生成AI(ChatGPT、Copilot in Windowsなど)」、1位に「VUI(音声ユーザーインターフェース)」がランクインした。

最も経済インパクトが大きそうなビジネスは?

次に経済インパクトのランキングを見てみよう。マーケティング分野では、3位に「D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー」、2位に「ファンベース」、1位に一人ひとりの趣向に合わせた商品やサービスを提供する「パーソナライゼーション」がランクインした。

特に「パーソナライゼーション」は前回調査に比べて大きく伸びている。これまではファッションやクルマなどが中心だったが、近年では食品業界にも広がっているという。

例えば、カルビーは検査キットで腸内環境のタイプを調べ、一人ひとりにあったグラノーラを定期的に届けるサービスや、管理栄養士による食事のコーチングが受けられるサービスなどを提供している。

消費トレンド分野の3位は「インバウンド消費」、2位は「オタク消費」、3位は「越境EC」だった。越境ECは将来性も経済インパクトも大きいと見られているようだ。

テクノロジー分野で3位にランクインしたのは「フードテック」、2位は「VUI(音声ユーザーインターフェース)」、1位は「生成AI(ChatGPT、Copilot in Windowsなど)」だった。

13日にOpenAIの最新モデル「GPT-4o」が発表されるなど、進化が続く生成AI。OpenAIと提携するアメリカのマイクロソフトは4月、日本国内のデータセンターを拡充するため、今後2年間で29億ドル(約4400億円)を投じると発表するなど、期待の高まりがランキングにも反映されたようだ。

「今後伸びるビジネス」2024年上半期ランキング

また、今回の調査から、新たなキーワードとして、「宇宙テクノロジー」「リユース消費」「五感テクノロジー」「イマーシブ(没入体験)」が加わった。特にリユース消費は将来性が高いと分析している。

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