日経平均は反発、米物価指標を前に方向感欠く 個別物色は活発

Noriyuki Hirata

[東京 14日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比176円60銭高の3万8356円06銭と反発して取引を終えた。今晩とあすに米国でインフレ指標が発表されるのを控え、持ち高調整が中心となって方向感を欠いた。決算など個別材料を手掛かりにした個別物色は引き続き活発だった。

日経平均は前営業日比108円高で寄り付いた後も298円高に上値を伸ばしたが、午後には94円安とマイナスに沈む場面もあり、前日終値を挟んだ一進一退となった。日本時間の今晩に4月米卸売物価指数(PPI)、あすに米消費者物価指数(CPI)が発表される予定で、積極的な売買は手控えられた。

イベントを控えて上値追いに慎重だった一方、市場では「企業決算を通じて総じて上振れ余地が意識されている上、自社株買いの勢いが増しており、相場には底堅さがある」(岩井コスモ証券の林卓郎投資情報センター長)との見方が聞かれた。

日経平均は短期的に3万8000円─3万8500円のレンジが意識された。大型株の上昇が目立ちTOPIX100指数は0.4%高だった一方、中型株のミッド400は横ばい、小型株のスモールは0.6%安だった。

TOPIXは0.25%高の2730.95ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比0.25%高の1405.6ポイントだった。プライム市場の売買代金は5兆0680億2300万円。東証33業種では、値上がりは石油・石炭製品やその他製品、海運など18業種で、値下がりは証券やゴム製品、水産・農林など15業種だった。

個別物色は引き続き活発。前日発表された決算や傘下の英半導体設計大手アーム・ホールディングスの株価上昇を受けて、ソフトバンクグループが大幅高だった。TOPPANホールディングスやENEOSホールディングスは、大規模な自社株買いが好感され急伸。ENEOSは年初来高値を更新した。一方、東京海上HLDGやKDDIは軟調。中外製薬は年初来安値を更新した。

新興株式市場は、東証グロース市場250指数が1.33%高の659.26ポイントと続伸した。

東証プライム市場の騰落数は、値上がりが746銘柄(45%)、値下がりは874銘柄(52%)、変わらずは31銘柄(1%)だった。

終値 前日比 寄り付き 安値/高値

日経平均 38356.06 +176.60 38287.99 38,084.71─3

8,477.68

TOPIX 2730.95 +6.87 2728.49 2,712.24─2,

742.69

プライム市場指数 1405.60 +3.51 1405.05 1,396.05─1,

411.49

スタンダード市場指数 1255.62 -1.18 1256.26 1,251.57─1,

257.12

グロース市場指数 843.88 +10.48 834.24 834.24─844.

29

グロース250指数 659.26 +8.66 651.43 651.43─659.

87

東証出来高(万株) 211328 東証売買代金(億円 50680.23

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