大阪万博は即刻中止すべき! 『木造リング』に潜む深すぎる闇とは

今週の注目記事・第1位「『大阪万博』危機の深層 世界的建築家『山本理顕』が問う『ずさんな実態』」(『週刊新潮』5/16日号)
【番外1位】「森喜朗元首相『裏金問題』真相を語る240分」(『文藝春秋』6月号)
同・第2位【1週遅れ】「宮内庁が『超高額薬』を大量に買っている」(『週刊現代』5/11日号)
同・第3位「岸田自民が“集票組織”に補助金バラ撒き 内部報告書を入手!」(『週刊ポスト』5/17・24日号)
同・第4位「大物音楽プロデューサー小林武史氏に『公金3億円投入』で千葉県議会が騒然」(『FRIDAY』5/24日号)
同・第5位「『大の里』二十歳未満に飲酒強要でも『相撲協会』元検事長の機能不全」(『週刊新潮』5/16日号)
同・第6位「『那須焼損遺体事件』『娘の内縁夫』が爆発させた憎悪」(『週刊新潮』5/16日号)
同・第7位「『婚活』ご精励で皇室脱出へ『佳子さま』と『島津家』」(『週刊新潮』5/16日号)
同・第8位「デコピンに『NO!!』親族にウソ 大谷真美子夫人の覚悟」(『週刊文春』5/16日号)
同・第9位「『昔の奥さん…』松田聖子ネタを解禁した神田正輝(73)と竹下景子似マダムの隠れ家デート写真」(『週刊文春』5/16日号)
【巻末付録】現代とポスト、SEXYグラビアの勝者はどっちだ!

今週はやや変則になった。

先週が休みだったので、先週の現代で取り上げたかった「宮内庁が『超高額薬』を大量に買っている」を入れていることと、月刊誌である文藝春秋の森喜朗インタビューが興味深いので、今号で取り上げている。

ということで、最初は人気番組『旅サラダ』(朝日放送)のMCの神田正輝の近況。

一時は体調不良で休養していたため、再登場が危ぶまれたが、顔は青白くゲッソリはしているものの、ここのところ連続して出演している。

4月28日の放送では、福岡県久留米市のVTRが流れると、

「昔の奥さん、久留米市」

と発言。松田聖子が久留米市なので、共演している勝俣州和が思わず、

「勇気ある発言ありがとうございます!」

と突っ込んだという。

どうということではないが、聖子との間にできた娘の沙也加の死をようやく乗り越えたようではある。

そんな神田には、女優・竹下景子似の銀座の老舗のマダムがいて、付き合いは数十年以上になるそうだ。

文春が直撃した日も、そのマダムと食事をとっていたという。

熟年夫婦のようで、神田は健康に気を遣ってか、コーヒー以外は水だけで、アルコールは飲まなかったという。

まあ、初老(高齢者間近?)の男女が、今さら愛でも恋でもあるまい。

神田に再婚の予定はと聞くと、

「結婚はしない。お疲れ様」

そういって、タクシーに乗っていったという。チャンチャン。

さて、次は大谷翔平の妻・真美子の話だが、タイトルのような“危うい”ものは何もない。

至極、真っ当で大谷愛にあふれた女性だというのである。

5月2日の球団のチャリティーイベント、「ブルーダイヤモンド・ガラ」には、大谷が彼女同伴で現れ、結婚指輪が輝いていたそうだ。

ちなみに大谷翔平の服は、彼がアンバサダーを務める「BOSS」の黒いダブルスーツ。彼女も黒を基調としたコーディネート。

ちなみに彼女のブランドは、「Elie Tahari」というものだそうである。

文春によれば、彼女は小学校時代からキレイで目立つ存在だったという。だが、長じては、その身長の高さを気にして、いつもベタッとしたスニーカーを履いていたそうだ。

大谷翔平とどのようにして恋仲になったのかは、いまだに謎だが、彼女の口の堅さは相当なものらしい。

90代の彼女の祖父にも、大谷が結婚を発表した当日になって知らされたそうである。

語学力も相当なものらしい。愛犬「デコピン」にも英語で話しかけているそうだが、ネイティブ並みの発音だそうだ。

このところ、体の不調で休みを取ることが多い大谷だが、新妻と過ごす時間は確実に増えているようだ。

もしかすると、彼女と一緒にいたいために「体調不良」をでっちあげている?

ところで、4月からスタートした宮内庁のインスタグラムは、すでにフォロワーが130万人を超えたと、新潮が報じている。

当初、そこには秋篠宮家は登場しなかったが、3月からは宮内庁のHPに活動がアップされているそうだ。

この先、インスタグラムに秋篠宮家が登場することになると、「ともすれば“人気投票”になりかねません」と、宮内庁担当記者がいっているが、そんなことを心配することはない。

愛子さん、佳子さんが、何度も登場すれば、日本で有数のインスタになり、世界中から注目を集めるようになるのではないか。いいことだと思うのだが。

佳子さんは5月25日から、国交125周年を迎えたギリシャを訪問するそうだが、この様子がインスタに載れば、ものすごい「いいね!」が付くのではないだろうか。

だが、秋篠宮はこうしたSNSの活用には消極的だから、広報室は苦慮しているらしい。

注目される佳子さんが、4月13日に、島津家の私的な会合である旧華族の親睦団体が「霞会館」で開いた「錦江会」に出席したことが話題のようである。

当日は上皇夫妻や秋篠宮も出席し、彼女も一緒に行ったようだ。

島津家は鎌倉時代に発祥し、代々薩摩の地を領有、明治になると侯爵に叙せられた名門華族である。

佳子さんは初めての参加だったが、「実は、上皇后さまのたっての思し召しもあり、佳子さまのご参加が実現をみたというのです」(さる宮内庁関係者)

佳子さんのことを案じている上皇后が、彼女に「婚活」を勧めたというのである。

「島津家のうち、香淳皇后の祖父にあたる忠義の父、久光を祖とする分家『玉里島津家』の家系には、佳子さまより1歳年上の男性がいます」(霞会館の関係者)

その男性は、学習院法学部を卒業後、メガバンクに就職しているという。学生時代にはゴルフ部に所属し、現在も学習院の同窓会「桜友会」の役職についているそうだ。

佳子さんももう三十路間近か。そろそろ婿さん候補を決めないといけない年頃ではある。

この話がどうなるかは分からないが、こうした「出会い」が彼女のために用意されていることは間違いないのだろう。

さて、那須の山中で発見された損傷遺体は、上野のアメ横などで焼肉屋や居酒屋を幅広く営んでいる宝島龍太郎夫妻と判明した。

そして、2人の殺害に関与したと思われる4人が逮捕された。彼らが都内のクラブの常連だったことも判明している。

宝島の強引な経営手法がトラブルを多発させていて、それと関係があるのではないかと、テレビでも連日流されている。

だが、ここへきて大きな動きがあった。5月6日に、新たに逮捕されたのが関根誠端容疑者(32)だが、彼は宝島夫妻の長女の内縁の夫だったのである。

新潮によれば、当局は彼が事件の首謀者だと見ているようである。翌7日には、宝島夫妻を上野から殺害現場の空き家に連れて行った不動産業の人間も逮捕されている。

ではなぜ、関根は夫妻に強い殺意を抱くようになったのだろう。

本人のものとみられるSNSには、東京都台東区育ちで、8年前には経営コンサルタントの会社を立ち上げているという。

だが刺青を入れ、ガラの悪い若い者たちを集めて騒ぐものだから、近所からは暴力団か半グレ集団と見られていたようだ。

その関根と、宝島家が接点を持つようになったのは、この2、3年だという。

そして宝島の長女の“旦那”になり、宝島のマネージャー兼トラブル処理係兼運転手のようなことをやっていたそうだ。

だが、宝島の妻は、関根と娘の交際に反対し、関根に強く当たっていたが、関根は何もいわず反抗もしなかったという。

昨年9月に関根と娘は新しく飲食店を立ち上げていたそうである。しかし、新潮によると、今年1月、娘は姿を消し、彼女の妹が取締役に入っているという。

長女との間に何があったのか? 犯行の目的は宝島が所有している多くの店舗か? どうやって、若い連中をそそのかしたのか? 事件にはまだまだ謎が多いが、欲に目がくらんだ犯行とみて間違いないようではある。

大相撲夏場所は5月12日、東京・国技館で初日を迎えたが、1横綱4大関が敗れる大波乱の幕開けとなった。

中でも、横綱・照ノ富士が新小結・大の里にすくい投げで敗れたのは、新しい時代が来たことを相撲ファンに実感させた。

先場所初入幕で優勝した尊富士は足首の故障のため休場してしまったが、今場所の注目が大の里に集まるのは間違いない。

だが、新潮は、二所ノ関部屋に所属する大の里が、同部屋の総勢山(19)をいじめ、飲酒を強要していたのではないかと前号で報じていた。

白鵬の宮城野部屋の暴力行為には厳しすぎると思われる厳罰を下したのに、なぜ、二所ノ関には大甘の裁定を下したのか。

新潮は、協会で不祥事対応のトップを務める危機管理委員長の高野利雄(81・元名古屋高検検事長)に質問内容を記したものを送ったそうだが、「私は取材対応をする立場にありません」というメールが返ってきたという。

新潮は、このほかにも二所ノ関部屋の若い者が、SNS上で女性をナンパしていたりとやりたい放題だそうだが、それは、同じ敷地に親方はいるが、週に3日しか弟子たちと会わないためだと難じている。

昔も今も相撲界には稽古と称していじめが横行している。この悪しき伝統をなくさない限り、相撲という国技が廃れることは間違いないと思う。

大阪万博の杜撰な計画は後で検証するが、これに似たことはどこでもやっている。

FRIDAYは、千葉県誕生150周年記念事業のプロデュースなどのほかに、巨額な税金が「一部の芸能関係者だけに拠出されているのは問題だ」と、千葉県議会議員・川口絵未が批判したと報じている。

「3月末の週末、佐倉城址公園本丸跡(千葉県佐倉市)に設置されたステージでは、千葉県誕生150周年記念事業のひとつ、『ENjoy!SAKURA 春フェス』が開催されていた。会場に向かうと、荻野目洋子(55)が『ダンシング・ヒーロー』など数曲を歌っていた。

『バックバンドはなく、カラオケのようでした。その後、レミオロメンのボーカル&ギターの藤巻亮太さん(44)、レミオロメンやMr.Childrenを手掛けた音楽プロデューサーの小林武史さん(64)、チェロの方が出てきて3人のステージ。アンコールではレミオロメンの『3月9日』を歌い、荻野目さんも加わって沖縄の唄『花』を合唱していました。スピーカーはステージの両脇にしかないらしく、ステージ近く、真正面にいかないと迫力が伝わらない状況に見えました」(観客)

フィナーレは300機のドローンによるパフォーマンスだった。FRIDAYが入手した資料によると、この春フェスの制作・運営などの業務は1336万5000円で、小林氏が代表を務めるエンバイロビレッジ社(以下、エン社)に業務委託されており、「15分のドローンパフォーマンスには900万円の予算が組まれていた――」(FRIDAY)

小林というのは、音楽プロデューサーの小林武史(64)のことだが、川口県議によると、記念事業の総合プロデュースを小林が代表理事を務める一般社団法人に2年弱、4,400万円で契約を締結したという。

記念事業の一部の企画のために、総額約2億6,400万円で委託。しかも、その報告書に領収書のコピーも求めず、1市あたり最大3,000万円もの補助金を支出。

HPの制作も約500万円で随意契約。最大の疑惑は、2022年10月25日に開催された官民連携会議での一委員の推薦だというが、県の文化振興課は「委員の名前を絶対明かしません」(川口議員)

ちなみに小林は山形県の出身だそうだ。

なぜ、千葉県の150周年というおめでたい事業に「隠しごと」が存在するのだろう。

これだけでも、何かあると思わざるを得ない。

多額の費用がつぎ込まれる県の事業を食い物にしようという輩が、様々なツテを使って入り込み、おいしい汁を吸うという構図は、東京五輪然りである。

県は、これを機に、県民に疑惑を持たれないように、徹底的に説明すべきである。

お次は、ポスト得意の政権批判特集。今週は、補選全敗なのに、岸田首相降ろしが始まらないのは、自民党を支えている「組織票」を補助金バラ撒きでテコ入れしているからだというのである。

ポストが入手した内部資料には、自民党の「票とカネ」を支える業界へのバラ撒きが事細かに記されているというのだ。

資料の中には、「前年度を上回る」という言葉が何度も出てくるという。

では、これらの団体がどれだけの集票人数を持っているのだろうか。ポストによれば、日本医師会、日本歯科医師会、日本看護連盟などの医療系団体は約69万票、全国郵便局長会は約41万票、農協系は約18万票とある。

自民党が倒れては困ると考えている団体は、岸田首相の側近、木原誠二自民党幹事長代理が、

「いま自民党は非常に厳しい状況だ。(総選挙になれば)政権交代が起こってもおかしくない」

という言葉に慌てふためき、岸田はそうした組織に美味しい餌を撒き、次の衆院選では組織票をがっちり固めようという腹なのだそうだ。

それには国民の血税を湯水のようにばら撒く。その上、内閣改造で麻生太郎副総裁や茂木敏充幹事長など自分に歯向かう人間たちを交代させるつもりだそうだ。

何としてでももう一期やりたい岸田首相は、もはやなりふり構っている余裕はないようだ。

お次は現代から。現代は今週の月曜日(13日)に新しい号が発売されたのだが、先週、気になる記事があった。だが、当欄が休みだったため掲載することができなかった。

そこで、今週それを掲載させていただくのをお許しいただきたい。

それは、宮内庁が超高額な薬を爆買いしているという報道である。その医薬品は「抗ヒトTNFaモノクローナル抗体製剤インフリキシマブ」という薬だそうだ。

宮内庁は22年6月29日に、232万4080円分 22年11月17日には、715万9834円分。23年11月7日には、951万7245円分だという。

では、インフリキシマブとはどのような薬なのか?

「端的に言えば、免疫異常の病気の治療に用いられる薬です。なかでも使用されることが多いのは、潰瘍性大腸炎、クローン病、関節リュウマチといったもの。ただ、いずれの症状にしろ、いきなり『インフリキシマブ』を用いることはほとんどありません。一般的なステロイド等の免疫抑制剤などを使用し、それで効果が出なかった場合に投与するのが『インフリキシマブ』。中等~重度の症状の方に対して用いる薬です」(医療法人社団鉄医会ナビスタクリニック谷本哲也理事長)

潰瘍性大腸炎といえば、安倍晋三元首相が患っていたのでよく知られている難病である。

一生付き合っていかなければならない病であるが、いったい誰が?

現代は推理する。

上皇、上皇后や天皇皇后は、常に容態に変化があれば国民に公表しているから、違うのではないか。愛子さんや、皇位継承者の秋篠宮や悠仁さんも外してよさそうだ。

すると? 最近、「胃腸の機能的障害」を発表した秋篠宮家紀子さんへたどり着くというのである。

紀子さんは1月7日に胃の内視鏡検査を受け「症状の原因となる所見は見られなかった」と発表されたが、2月9日のケニア大統領夫妻との宮中晩さん会は欠席している。

その後、公務はしているが……。

購入が始まったのは、長女眞子さんが結婚した翌年である。

様々な心労が続いた日々。頑健なものでも体調を崩しかねない。しかも、ここでも報じていた通り、皇嗣職大夫は、1月以降、紀子さんの容態を発表せず、記者たちから問い詰められている。

また現代によると、4月1日付の人事で、慶應義塾大学病院の助教だった清原裕貴が新たに皇嗣職侍医に就任したという。彼は、炎症性腸疾患のスペシャリストそうだ。

宮内庁は、

「秋篠宮皇嗣妃殿下の御体調は徐々に回復されてきており、引き続き、御体調にお気を付けになりながら公的御活動などをお務めになられています」

と答えているが、心配なことではある。

今週は番外編がもう一本。週刊誌からではない記事を紹介したい。

月刊誌「文藝春秋」の6月号から、派閥の裏金問題のキーマンといわれる森喜朗元総理のインタビューを紹介したい。

残念ながら、森喜朗から「裏金問題の真相」を聞き出したのではない。森の「弁明」を丸ごと書き写したようなものではあるが、渦中の森を引きずり出した功績は認めてあげるべきであろう。

インタビューしたのは、ノンフィクションの世界では今やナンバー1という評価の高い森功である。

彼の力なくしては、このインタビューはできなかったとは思う。しかし、派閥の裏金問題について、新しい証言があったかというと、ノーというしかない。

森喜朗は、インタビューに臨むにあたって、様々な人間に意見を聞いたのであろう。近しい法曹関係者もいたのではないか。

模擬答弁なども、小心者の森はやったのではないかと推測する。

準備万端な森喜朗に対して、インタビュアーのほうは、彼の「嘘」を打ち破る新証拠を持って追い詰めることができなかった。

読んだ後の正直な感想をいうと、森喜朗にしてやられたと思った。

見かけは茫洋としていて、聡い人間には見えないが、数々の修羅場をくぐり抜け、塀の向こう側にいまだに落ちていないのは、小心者ゆえの石橋を叩いても渡らない用心深さ、他人を信用しないなど、彼なりの処世術があったからであろう。

では、いくつか見ていくとしよう。

――今になってインタビューに応じる気になったのはなぜですか。

森元首相 本音を言えば、「政治とカネ」については話したくない。けれども、自分一人がいい格好すると思われるのも嫌だし、これは関係した議員すべて、さらに自民党の名誉にかかわる問題です。(中略)
それともう一つ、やはりこれは大罪です。場合によっては、国を滅ぼす事態になりかねない。したがって国民にお詫びをしなければならない。誤解があるにしても、大罪の一端が私にあると言われた以上、真実だけはきちっと話しておかねばなりません。そうでないと、私の子孫に対しても申し訳ない。

――(岸田総理から=筆者注)裏金作りについて何も質問はなかったのですか。

森 あの時の電話で、総理はこう言っていました。
「私から森先生に電話した事実を言わなければならない事態になれば、それを公表させていただきます。それまでは、私から電話があったことをおっしゃらないでください」
私は「承知しました」とだけ答えました。あとは「ご体調はいかがですか」とか、「強いてお目にかかることはありません」というようなことを言われました。
岸田は、森に電話をしただけで、何も聞かなかったのだ。ここがこのインタビューの白眉だろう。
「(中略)私自身、仮に国会の証人喚問に呼ばれても、知らないものを知っているとは言えない。磔にされ、拷問に遭っても、ないものをあるとは言えません。むしろ、もし国会に呼ばれたら、「森が裏金作りを始めたと言っているのはいったい誰なんだ」と言いたいです。

――安倍派(清和政策研究会)のパーティを駆使した裏金作りのシステムは、森会長時代の二十年以上前に始まったというのが、定説になっているが、違いますか。

森 私はこの問題から逃げようとは思っていません。けれど、本当のところ、いつ誰が始めたのか、わからないのです。(中略)私も二〇〇〇年に総理になる前は党幹事長や政調会長、総務会長、閣僚とずっと派閥から離れていたので、実は派閥のことは詳しくわからない。その一方で、私を陥れるためのつくり話がまかり通っている。

――安倍派の衆院議員でいえば当選一回で百万円、二回生で二百万円、大臣経験者だと五百万円のパー券販売がノルマの相場です。近年、それを超えた分がキックバックされて裏金に化けてきましたが、そのシステムを派閥の事務方が創るわけがありません。発案者は誰ですか。

森 (中略)ノルマや還付金について議論するために派閥の役員会を開いたことなんてありません。ましてノルマを超えた分がバックされる仕組みなんて知りませんでした。そもそもキックバックなんて半ばインチキ臭いことを議員同士で話し合えるわけがありません。安倍派になりノルマの件で役員会を開いたことまであったそうですが、そんなことだから、次の会長選びまでゴタゴタしてしまうのです。

――では、キックバックの仕組みを知ったのはいつですか?

森 今度の報道で明るみに出て初めてです。(各議員の裏金)一覧表を見ましたけれど、こんなにあったのか、と驚きました。パーティもやらないのに、パーティー券だけ作って売っていた職員もいたというから、呆れます。それに利権漁りばかりしていた議員までいたり。
ただし、なかには五年で百万に満たない記載漏れもあり、本当に計算違いかもしれません。だから、岸田総理も細かく精査して実態を掘り下げてから処分をすればよかった。けれど、早く結論を出して、訪米の日程にそなえたいという気持ちが強かったから、あのような形になって、またまだ尾を引いているのでしょう。

――なぜか安倍晋三元首相がキックバックをやめようとしたが、没後の二二年八月五日、下村博文氏と世耕弘成氏、塩谷立氏、西村康稔氏ら派閥幹部が会合を開き、復活が決まったとされます。これも森さんの意向が動いたかのように報じられています。誰かが判断してキックバックが復活したのは間違いありません。森さんの判断では無いのですか。

森 (中略)もう一度言いますよ。私は清和会の会員でもありません。そんな話を知るはずもありません。

――安倍派の会長ポストを巡る混乱のさなか、裏金問題が起きました。その幕引きとして岸田首相は塩谷立座長に自民党の処分で二番目に重い離党勧告を下し、塩谷氏が不服を申し立てました。森さんはその前の一月二十六日、塩谷氏に責任を取るよう迫ったと仄聞していますが。

森 「誰かが罪をかぶり、総理の判断を願い出るようにすればいい」と知恵をつけた人が党内にいたそうです。それで五人衆が相談し、座長の塩谷君に、その役を担ってもらおう、となった。五人衆の総意として、塩谷君の説得を「森先生に頼むしかない」となったようです。
萩生田君から「こんなことを先生にお願いするのも変だけれど、ここは塩谷先生が引き受けてくれたらありがたい、というのが皆の意見です」と連絡をもらいました。直接会うとマスコミがうるさいので電話です。あの頃、二階派も、二階(俊博)さんが全責任をかぶって議員辞職するという話が聞こえてきました。安倍派としても対応しなければならないので、なるほどそれも一理あると思い、塩谷君をここ(森事務所)へ呼んだのです。

――結局、五人衆は仲違いし、安倍派をまとめきれませんでした。

森 仲違いはしていません。私はそうならないよう毎週彼らを呼び、飯を食ってきた。みんな派の会長をやりたいけれど、すぐに岸田総理と勝負して総裁になる勇気もない。次の総裁選に出たがっていたのは西村君だけでしたが、岸田総理とぶつかるのは、安倍さんの遺志じゃないと止めてきました。
派閥内では萩生田君を推す声が多いけれど、彼もあちこちに弾を受けてますから、少し時間を置いた方がいい。世耕君は参院議員である限り総理になれないから、衆院に移ることを絶えず考えていたようです。しかし、こうなっては、次の衆院選には慎重になると思います。

森喜朗は、裏金問題については全く知らない。安倍派の跡目は俺が目を光らせているから、萩生田にしてやるがもう少し待てといっている。

自分がどれほどの大物かを誇示しているだけで、裏金問題の真相は依然として真っ暗闇。しかし、これだけは見えた。森喜朗がすべて仕切っていたことは間違いない、と。

さて今週の第1位は、新潮の万博を中止せよという記事に捧げたい。

これまで、大阪万博を中止、または延期せよという批判は多数出され、論点はほぼ出尽くしたかに思っていた。

その論点は、開催までに建設が間に合わない。建設費の高騰で国民の負担が増える。参加国の少なさと、日本人の関心の低さ。会場となる夢洲は地盤が軟弱などである。

東京五輪と同じ利権の臭いがする、万博よりも日本維新の会は跡地をカジノにする方が最優先というものもある。しかし、なんだかモヤモヤしたものが私の中に残っていた。

だが、今週の建築家・山本理顕のインタビューを読んで得心がいった。

そうなんだ! これは大阪万博を即刻中止、または延期しなければならない決定的な「見解」として広く読まれるべきである。

山本の意見に耳を傾けてもらいたい。

「会場をぐるりと囲む木造の大屋根、通称『木造リング』と呼ばれる『大阪・関西万博』のシンボルは、大阪へ万博を招致する最初の段階で作成された計画案には、明記されていませんでした。
いったい誰がいつ、つくると言い出して、建設することに決まったのか。その経緯も含めて責任者が不明で、信頼できる情報が発信されているとは言い難い。数々の疑問に対して、責任者がしっかりと答えてくれればいいだけなのに、それができていません」

3月5日、建築会のノーベル賞と称される「プリツカー賞」を受賞した建築家の山本理顕(79)が受賞後のインタビューで、来年4月から開催される「大阪・関西万博」について問われた際、「あれほどひどい計画は、建築家から見たらあり得ない」などと舌鋒鋭く批判したそうだ。

「今回の万博における問題点は『責任者が誰なのか分からない』ということに尽きます。
(中略)国や大阪府・市などの行政のみならず、経団連など民間からもお金を投入し『国家事業』として進めているのですから、責任の所在は隅々まで明確でなければなりません。
私が建築家の立場から憂慮する『木造リング』についても、実際は誰が考案して設計したのか。会場の設営を進める万博協会が、いつ誰に依頼して承認したのか。常識的に納得できるような公的説明が皆無です。
旧ツイッターのXなどでは、万博の会場デザインプロデューサーである建築家の藤本壮介さんが、“自分が考案した”と言っているようですが、実際のところ“考案”とは具体的に何を指すのか。(中略)
実のところ『木造リング』の設計自体は他社に委託されています。2021年7月、『リング基本設計技術提案』がコンペ(プロポーザル)の形で公募され、万博協会は『東畑・梓設計共同企業体』を設計者として選定しているのです」

藤本は自分が考え付いたが、他人が設計したほうがいいと考えたのはなぜかと疑義を呈する。

しかも、万博のシンボルを設計するのは大いなる栄誉なのに、なぜそれをしないのか?

「1970年、大阪万博の丹下健三――。万博のシンボルを設計した者は、その栄誉とともに記憶されています。(中略)
翻って、今回の万博で藤本さんは会場のプロデューサーであると同時に、シンボルとなる建築の設計者の役割も担っている。自分ではそう言っているようですが、それならなぜ最も重要な『木造リング』の設計を他社に任せたのか。全く納得がいきません。
その上、肝心の設計コンペにおける審査が、驚くほど杜撰なものであることが分かってきました。万博協会が公にした審査講評は、極めて簡易なものでしかありません。
これまで数多くのコンペを経験してきた私から見ても、公平な審査とはとても言えない。根拠不明の点数のみで、その内容は分からない。藤本さんによる選定理由の文章だけで、建築家たちは納得するだろうか。これが総工費350億円の公共建築の設計者選定の審査結果なのです」

このような審査に対して、コンペ参加者から3月に、以下のような怒りのメールが届いたという。そこには、

「審査委員には、木造の専門家も、構造の専門家も、リユースや資源循環の専門家もいません。さらに、具体的にどのような提案がヒアリングに残ったのか、どのような議論が行われ最終案が選定されたかは、上記の簡単な記述だけでメディアに対して全くオープンにされていません。全く公開性のない審査で決められています。プロポーザル参加者としては(中略)納得のいかない審査結果を押し付けられた感が強いです」

というものだという。

「あまりにも杜撰としか言いようがない。このコンペ要項を作ったのは藤本さんです。プロデューサーとしての責任感が欠如していると思います。
おまけに、『木造リング』の設計料は2億円弱で、総工費は350億円。これほどの金額がかかる公共事業の設計者を、この程度の杜撰な審査で選んだのなら、コンペの参加者だけではなく、本来なら万博協会こそが怒らなくてはならないはずです。
自らの責任をできるだけ回避したいのでしょう。藤本さんは自身のXで大要、〈藤本壮介建築設計事務所が設計業務として請け負うことは、自分で巨大建築を構想して自分の事務所でそれを受けるということになり、自らに利益を流していると受け取られる可能性がある。それは本意ではないので、設計者を別で設定した〉
『木造リング』のアイディアが藤本さん自身だと言うからには、なおさら設計から監理まですべてに関わり、完璧を目指さなくてはなりません。
万博協会は、藤本さんという建築家を全面的に信頼しているからこそプロデューサーに選んだのです。“金銭の横流しを疑われるから、設計は他者に委ねた”などという言い訳は通じません。そんなことを心配しなくてはならないことが、逆に今回の万博プロジェクトに内在する問題をよく表しています」

なるほど、東京五輪とよく似た構図ではないか。

さらに「木造リング」の構造計算や積算業務は極めて難しいという。

「今回の『木造リング』には『貫構造』といわれる日本の伝統的な工法を模したものが採用されているからです。
『貫構造』とは、釘やボルトや金物を一切使わず、柱と梁の接合部を楔によって固めるだけで、木造構築物を支える工法です。今ではほとんど使われていません。その耐震性に必ずしも信頼がおけないからです」

結局、実施設計と工事を請け負ったゼネコン3社は、「貫工法」で作ることを諦め、金物で補強する手段を選んだという。さらに続けて、

「こうした専門知識のないままに、大阪府知事や大阪市長は『貫構造』でつくるかのような解説をしていましたが、本来はプロデューサーである藤本さん自身が正確な説明をしなくてはならない。
それなのに、彼には説明責任者としての自覚が全くない。そもそも自分がなぜプロデューサーに指名されたか分からないというのです。それは藤本さんから直接聞きました。
藤本さん自身、自分がなぜプロデューサーに選ばれたのか、誰によって選ばれたのか。その理由も根拠も知らされず就任を引き受けたと知って、あまりにも無謀だと感じました」

さらに批判は、建築界のドンといわれる人間に向く。

「19年12月に、建築家の安藤忠雄さんをはじめとする13人のシニア・アドバイザーが選ばれています。(中略)
安藤さんは同年10月に万博のロゴ選定委員会の座長になっており、翌年1月には『万博の桜2025』実行委員長に就任。次々にインパクトのある提案を打ち出しました。
中でも最も大きなインパクトがあったのが、プロデューサーに指名された藤本さんによる『木造リング』だった。それはあまりにも唐突な提案でした。すべての混乱はここから始まったといっていいと思います。(中略)
アドバイザーである安藤さんの責任は、万博のために働いてる建築やデザイナー、様々な専門家たちが、その技量を十分に発揮できる環境を整えることではないでしょうか。それが今や、逆に彼等や万博協会の信用を貶めるようなことになっています。安藤さん自らの説明がないからです。安藤さんはその責任を感じるべきだと思いますが、今は全く公の場に現れません。安藤さんに言いたいことは、その責任から逃げてはいけないということです。
また安藤さんは、このような国家的プロジェクトに関わったのですから、万博そのものだけではなく、それを巡る現在の状況にも厳しく目配りすべきです。能登では大きな災害が起きました。まだ復興の見通しが全く立っていません。万博協会としても、何らかの支援を打ち出すべきです。そうした提言をすべきです。安藤さんこそが中心になるべきです。
藤本さんと直接会った際、大阪に住む人々の生活に無関心だなという印象を持ち、不安に感じました。
万博の会場は、大阪市民が生活する街から遠く離れた場所、大阪湾のゴミ処分場の跡地です。そこに会場をつくると決めた政策自体に問題があります。
大阪の都市計画、未来へのビジョンがないまま、短期的な金銭的利益のために万博を利用するのは間違っている。万博用地の後利用として、IRを計画した方が合理的だと考える人もいるかも知れませんが、そこで生まれた利益は、本当に大阪市民へ還元されるのでしょうか。ほとんど海外のカジノ業者の利益になるだけではないでしょうか。(中略)
万博は現在のみならず未来の住人に対して夢を与えるために開催されます。『夢洲/万博/IR』が、地元自治体トップである大阪府の吉村洋文知事の夢だとしたら、それは大阪の人たちに共有されているのでしょうか。未来の住人であるはずの子どもたちに、きちんと伝えられる夢なのだろうか。甚だ疑問です」

何一つ付け加えることはない。これぞ万博を即刻中止すべき最大の根拠を示す完璧な論拠となる文書である。吉村知事、悪いことはいわない、すぐに万博を延期して、もっと簡素で、大阪人からも、国民からも、世界中からも称賛されるものに作り変えるべきではないか。(文中一部敬称略)

【巻末付録】

まずは現代から。

「小池里奈 帰ってきた伝説」「堀みなみ ベビーフェイスにだまされて」

ポストは……。

「人気女子アナ『ピカピカの一年生』」「女医が教える世界一受けたいSEXの授業」
袋とじ「大阪大学院卒 バレリーナ、全裸Y字大開脚 藤かんな」。袋とじ「宮崎千尋 清純革命」「田野憂 Lカップ、温泉にいく」「熊田曜子がポールダンサーになっちゃった!?」

もはやどっちが勝った? なんていうまでもなくポストの勝ちだが、現代はなぜ、こんなグラビアをいつまで続けるつもりなのだろう。部数増にはつながらないグラビアをダラダラ続けていることが不思議でならない。

フォト・ドキュメンタリーのようなものに切り替えていく気はないのだろうか。

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