松坂屋の屋上遊園に「カプセルトイ・パーク」 名古屋に詳しいフリーライター語る、新たな百貨店文化の醸成

テレビ愛知

新型コロナによる客足の減少や施設の老朽化によって、全国各地の百貨店の「屋上遊園」が姿を消しつつあります。2023年9月には横浜高島屋で、2024年5月6日には長崎の浜屋百貨店で、それぞれ営業を終了しました。一方、松坂屋名古屋店の屋上遊園は5月13日の営業を最後に一時休園。2025年の春にリニューアルオープンする予定です。

名古屋の歴史や文化に詳しい、フリーライターの大竹敏之さんは「屋上遊園が残ったのは、名古屋の土地柄が関係している」と話します。

名古屋に根付く独特の百貨店文化 “親子買い”

屋上遊園

フリーライター 大竹敏之さん:
「百貨店の“親子買い”という言葉が名古屋独特の商習慣としてあります。また、3世代同居率が高いので、百貨店に行きやすいんです。百貨店に対する思い入れが強い土地柄だと思うので、それが反映されていると思います」

――今回、休園してリニューアルを決断した松坂屋の戦略について、大竹さんはどのように捉えていますか。

「とても英断だと思います。経済面だけではなく、人が集まって思い出をつくる文化的価値を重視していますね」

カプセルトイ

――松坂屋の広報の原口渚沙さんは「持続的に長く続けていくために、お客さんの目的地となるような空間作りが大切」と話しています。そこで大竹さんが考える屋上遊園活用法について教えてください。

「私がオススメしたいのは『カプセルトイ・パーク』です。新型コロナ禍以降、非常に伸びた分野なんです。接客機会がなくて商売ができるので、ショッピングモールなどで飲食店が抜けてしまった箇所の“救世主”になりました。カプセルトイの市場が大きくなったことで、商品の高クオリティ化やマニアックな商品の展開が可能になり、より進化しています。子どもだけでなく大人のためのコレクターズアイテム要素が強くなっていますね」

「カプセルトイ・パーク」に可能性見いだす

カプセルトイ・パークの構想を話す大竹さん

「名古屋にもカプセルトイ専門の会社があって、名古屋めしやご当地シリーズがあるんです。そういったものをまずそろえる、そろえるだけではなくワークショップを開催できるような場所をつくるというのは、屋上遊園のコンセプトに合致すると思います。

さらに、名古屋や岐阜は食品サンプルをつくるメーカーがあるので、そういったところとコラボすると“モノづくりの愛知”としてPRできます。現在はインバウンドの人にも、オタク的なニーズが高まっているので、そうした人たちも取り込めるのではないでしょうか」

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