死因は「呼吸・循環器系の停止」…パタヤ韓国人ドラム缶殺人

タイのパタヤで韓国人観光客が連れ去られ殺害された事件と関連し、遺体の解剖を担当するタイの法医学者は、「呼吸および循環器系の機能が停止したことが死亡原因」との1次所見を明らかにした。

14日(現地時間)タイの日刊紙タイ・ラット(ThaiRath)によると、タイ警察病院法医学研究所のスピチャイ・リムシワウォン所長は被害者の身元確認と正確な死因を把握するため遺体を引き渡されたと、13日に開かれた首都警察局の会見で明らかにした。

スピチャイ所長は、「死亡原因は何か」という質問に、「被害者の遺体は腐敗が進んだ状態であり、呼吸および循環器系の機能が停止したことが死亡原因」とし、「正確な死亡原因を明らかにするためには組織検査を待たなければならず、体内毒素も検査しなければならない」と説明した。

また、タイ警察は被害者の身元を確認するためのDNA検査に着手した状態だ。これとともに歯科病歴も比較する。解剖が完了すれば15日以降に被害者の遺体を親族に引き渡す予定だ。

被害者Aさん(34)は先月30日、タイのパタヤに観光のため入国し悲惨な目に遭った。Aさんの母親は今月7日、「息子が薬物を水に捨て損害を与えた。300万バーツ(約1275万円)を身代金として支払わなければ殺害する」という趣旨の脅迫を受け、タイの韓国大使館に通報し、タイ警察が捜査に着手したことで韓国人3人の犯行が発覚した。

Aさんが最後に目撃されたのは今月2日、バンコクのクラブだった。Aさんは3日、韓国人男性2人に付いてパタヤ方向に向かう姿がCCTV(防犯カメラ)に捉えられ、3人はトラックに乗り換えた後、パタヤのマプラチャン湖付近で宿所を借りた。同日午後3時10分ごろ容疑者2人が付近の店で200リットルの黒いドラム缶を買う姿も捉えられた。タイ警察は当時、Aさんはすでに死亡していたと推定している。

そして4日午後9時ごろ、容疑者らはトラックに黒い布をかけて宿所を出た。タイ警察は容疑者らが貯水池付近に約1時間駐車した後、宿所に戻ったのを確認し、貯水池に潜水部を投入してドラム缶に入った遺体を発見した。

容疑者3人のうち2人は現在、警察に検挙された状態だ。9日に韓国に逃亡したB容疑者(20代・男)は12日午後7時46分ごろチョンブク(全北)で緊急逮捕され、共犯の1人であるC容疑者(20代・男)はきょう午前0時10分ごろカンボジアのプノンペンにある宿所でカンボジア警察により検挙された。警察はタイ周辺国に逃亡したとみられる別の共犯1人も現地警察と協力しながら追跡している。

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