恐竜卵の新種「変形卵」発見 中国山東省莱陽市

恐竜卵の新種「変形卵」発見 中国山東省莱陽市

山東省莱陽市で見つかった新種の恐竜卵化石。(資料写真、莱陽=新華社配信)

 【新華社煙台5月14日】中国山東省莱陽市で見つかった恐竜の卵化石を古生物学者が分析し、新卵種として「変形卵」と命名した。研究成果は国際学術誌「Cretaceous Research(白亜紀研究)」に掲載された。

 中国地質大学(北京)生物地質・環境地質国家重点実験室の研究者が2019年、国際共同野外科学調査の際に複数の恐竜卵化石があるのを発見し、莱陽白亜紀国家地質公園の職員と協力して緊急発掘調査を行った。研究チームは調査の過程で、これまでに報告された恐竜卵化石の中では非常にまれな変形現象がこれら卵化石に見られることに気付いた。その後、同大と中国科学院古脊椎動物・古人類研究所、安徽大学の研究者による共同研究で、発見された恐竜卵が全く新たな卵種であることが確認された。

恐竜卵の新種「変形卵」発見 中国山東省莱陽市

発見された恐竜卵化石の内部構造。(資料写真、莱陽=新華社配信)

 研究者は「変形卵」が後期白亜紀中期のハドロサウルスの卵と推測している。その発見はスフェロウーリトゥス卵科に新たな化石資料を提供し、東アジアにおける同卵科の古地理学上の分布を拡大した。同実験室の研究者、鄭行海(てい・こうかい)氏は「これらの恐竜卵の研究は新たな卵種を提示するだけでなく、古生物が環境ストレスに適応したメカニズムを理解するのにも役立つ可能性がある」と述べた。

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