防災機能の強化完了 福島県須賀川市 西川中央公園が供用再開 多目的広場を整備 地元住民が感謝の集い

再整備された西川中央公園

 福島県須賀川市館取町の西川中央公園の再整備が完了し、供用が再開した。周辺は2019(令和元)年10月の台風19号による釈迦堂川の越水などで甚大な被害を受けた。防災機能の強化に向け、工事が進んでいた。

 浸水被害の軽減や避難時間を確保するため、内水を釈迦堂川に排水する内水排水処理施設を近接させ、雨水をためる多目的広場を整備した。

 内水排水処理施設には2台のポンプを設け、25メートルプールにたまった水量を約2分で排水できる能力がある。施設で処理しきれなくなった水が多目的広場にたまる。広場は地盤を下げ、25メートルプール42杯分に当たる2万5千立方メートルの雨水を貯留できる。芝生が整備され、平時にはスポーツなどに利用できる。

 バスケットボールコートや釈迦堂川堤防に植えられていたサクラを再利用したテーブル、ベンチなども備えた。災害の記憶をつなぐため、浸水の高さが確認できる看板を立てた。

 12日、丸田町町内会(安積昭好会長)、安全で安心して暮らせる町づくりの会(鈴木重会長)が、公園完成に伴う感謝の集いを開いた。

 鈴木会長は整備までの道のりを振り返り、「公園を中心に安全と安心にあふれ、にぎわう町になることを願う」と述べた。橋本克也市長、大寺正晃市議会議長らがあいさつした。各団体による防災講座や内水排水処理施設の実演も行われた。

(県南版)

集いに合わせ、実演が行われた内水排水処理施設
関係者に感謝を伝える鈴木会長

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