「乳酸菌株を不法に使用された…」長野市の老舗味噌蔵が信州大学・准教授を提訴【長野】

「乳酸菌株を不法に使用された」と訴えています。長野市の老舗の味噌蔵が信州大学と准教授を提訴したことが、分かりました。

「100年以上使い続けている木桶の底をご覧ください」「乳酸菌や酵母菌といったお味噌をつくるのに大切な微生物が宿る菌叢(きんそう)です」味噌蔵のホームページには、そうつづられています。信州大学と農学部の男性准教授を相手に訴えを起こしたのは、長野市の「井上醸造」です。訴状によりますと、井上醸造は男性准教授が関わった「酵母・乳酸菌の新しい利用方法を考える研究会」というプロジェクトに協力し、味噌のサンプルを提供しましたが、その味噌から分離された乳酸菌株が商品化される方針などを巡って、関係を解消しました。しかし、男性准教授は研究を継続し、大学などを出願人として研究の成果で特許を取得。成分などの情報に関する秘密保持の合意を交わしていましたが、その義務に違反するとして1000万円の損害賠償を求めています。abnの取材に対し、代理人弁護士は「乳酸菌株について繰り返し説明を求めてきたが、十分な説明がなかったため、やむなく訴訟提起に至った」と話しました。一方、信州大学は「訴状の内容を精査して本学としての見解・主張を示していく」とコメントしています。

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