京町屋の路地奥、Wソースが嬉しい『洋食屋なかご』のカツレツ

様々な業態の店が集まる京町屋の路地「もみじの小路」の一番奥。2023年7月にオープンした『洋食屋なかご』は、カウンターのある、しっとりとした大人の洋食店である。

一人でも訪れやすい気軽なランチもいいが、ぜひ夜に二人以上で行ってほしい。

夜はアラカルトで、前菜、フライ、肉料理に分かれ、季節の食材を使ったその日のお薦めもあって40種ほどのメニューを揃える。目移りすることは間違いなし。さらに一つ一つのポーションもボリュームがあるため、シェアするのがお薦めだ。

店主の松本奈火吾さんは、ホテルや京都の名フレンチで研鑽を積み、全くジャンルの違う大型飲食店にも勤めたこともあるというユニークな経歴を持つ料理人。50歳にしてようやく自店を構えた。

シャイで控えめな松本さんは自ら客に話しかけることはあまりしないが、カツレツがWソースになっている理由を聞くと、デミグラスソースとタルタルソースのどちらか選んでもらうスタイルにするつもりだったが、「メニューの書き方を間違えてしまったんです。だからまぁそのままでもいいかなって」と飄々と笑顔で答えてくれた。

偶然に生まれたが、客にとっては嬉しい一皿。ほんのりビターなデミグラスソースと、卵の旨み濃厚なタルタルをしっかり絡めて、カツレツを頬張る。ワインなどお酒とともに好きなものを愉しみながらゆったりと過ごせるのは、まさに大人の時間。

2階はテーブル席になっているため、大人数で訪れても。

高坂地鶏のカツレツ デミグラスソースとタルタルソース3400円。

「洋食屋なかご」

住所/京都府京都市下京区松原通御幸町西入ル石不動之町682-4 もみじの小路

※こちらの記事は、関西の食のwebマガジン「あまから手帖Online」がお届けしています。

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