“学生アルバイト” の争奪戦「週1から可能」「検索で絞り込んで」 一方、時給アップせざるを得ない店側の苦悩も

新生活も慣れたころでしょうが、「学生のアルバイト事情」がテーマです。時給は1000円前後と待遇は良くなったものの、学生の数が足りていない企業もあるようです。

広島市安佐南区の広島経済大学です。昼休み中の学生たちに聞きました。

スポーツ用品店でアルバイト
「スポーツ経営学科なので、スポーツを学びたい。シューズやサポーターなどを(客に)説明している」

焼肉チェーン店でアルバイト
「時給がよかったのと、家から通いやすい。接客業がしたかった」

書店でアルバイト
「いろいろなバイトの面接をしたが受からなくて、3月に決まった。最後に本屋を受けて、給料は考えなかった」

ドラッグストアでアルバイト
「別のバイトをしていて、いったん辞めた。70円くらい(アップ)した」

この春、入学した新入生の多くは、アルバイトの面接を控えていました。

牛丼チェーン店を志望
「『週1から可能』など、部活と両立できる場所がいい。土日は夕方からシフトを入れたい」

映画館を志望
「映画館で働きたくて応募した。初めてのバイトなので(待遇など)こだわりたい」

スーパーを志望
「検索を絞りながら、条件に合うバイト先を探している。社会での経験を積めるのでいい」

同じ新入生でも、山口から通う学生は、高校からのアルバイト先を続ける選択をしました。

焼肉店でアルバイト
「人間関係を新しくする必要がないし、仕事が慣れている。広島からだと新幹線の時間があるので、ラストまで出られないので(地元で)続ける」

一方、学生の確保に苦戦する企業もありました。

末川徹 記者
「大学の掲示板にもアルバイトの求人情報が貼られています。ほとんどのところで時給1000円を超えている状態です」

広島県内の最低賃金は、時給970円。企業から広島経済大学への求人は40件近くあるといいますが、大半の学生は、大学を経由せず、インターネットなどで調べるため、応募が伸び悩んでいます。

広島経済大学 学務センター 赤澤康正 次長
「『夕方から夜遅くまで』など、1日働くのが厳しい学生も多い。企業には切実な思いで『どうにかしてほしい』と言われる」

原爆ドーム近くにある日本料理店「かなわ」です。2年ほど前から広島経済大学に求人をかけていますが、応募してきた学生はまだいないといいます。

かなわ 山本直子 女将
「なかなか来てもらえない。ネットでいろいろなことを調べる時代になっている」

この店舗では、時給を100円上げたほか、短時間勤務を可能とするなど、柔軟に対応していますが、学生が集まりにくいのは、日本料理店ならではの理由も…

かなわ 山本直子 女将
「和食の文化を大事にしていて、清潔感を心がけている。爪も短く、ネイルは禁止。着物を着ることもあるので、和の文化にそぐわない髪型はやめてもらっている」

こうした中、学生が働くことのメリットは…

かなわ 山本直子 女将
「(学生は)学んでいるので、吸収力が高い。ビジネスマナーも身につくし、おもてなしにも役立つ」

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