水道水から基準値を超える六価クロム検出で職員の処分発表 市長も給与減額の条例案を議会提出へ 由利本荘市

水道水から国の基準値を超える有害物質の六価クロムが検出された問題で、

由利本荘市は担当職員を停職6か月にするなど、当時の上司や関係する職員あわせて24人を

処分しました。

また由利本荘市の湊市長は市民の信頼を失墜させた管理監督責任をとるとして自らの給与を減額する条例案を市議会に提出する意向を明らかにしました。

湊貴信由利本荘市長

「市民のみなさまに大変なご心配をおかけし心からお詫びを申し上げます。

誠に申し訳ございませんでした」

市議会全員協議会の冒頭、謝罪の言葉を述べた由利本荘市の湊市長。

このあと市議会に対し、職員への聞き取りなどの調査を踏まえ

原因の究明や再発防止策が報告されました。

由利本荘市総務課 小番正明課長

「市の職員として市民の安全を最優先して考えた場合、所管ではないという理由で対応を怠った

ということは非常に残念なことでございます。」

「担当職員の判断はしかも個人レベルで行われておりまして、課の中で情報共有も行われておりません」

由利本荘市東由利地域にある集落の水道水から

国の基準値を超える有害物質「六価クロム」が検出されたのが2020年。

問題が発覚する今年4月までの4年間、給水を止めるなどの対応がとられなかったことや

別の水を加えて検査結果を改ざんしていた事実について、報告書では

職員一人一人の意識と組織全体の風土に問題があったと結論付けました。

その上でチェック体制の構築や、意識改革などの再発防止策をとりまとめました。

市民の健康や飲み水の安全性が軽視されていた今回の問題。

由利本荘市は検査結果を改ざんしていた担当の男性職員を停職6か月、

直属の上司ら3人の課長を停職1か月とするなど、合わせて6人を懲戒処分としたほか

5人を訓告、13人を厳重注意としました。

処分の対象は24人にのぼっています。

また管理監督責任をとるとして、市長と副市長などの減給に関する条例の改正案を

市議会の6月定例会に提案する方針です。

問題発覚以降、集落では適切に検査された水道水を給水車で運搬・供給していますが、

市の担当者は「今後必要な予算を投じて浄水装置の設置を検討している」と明らかにしました。

市は飲用水として利用していた住民26人に対し、健康相談を実施していて、

引き続き健康状態の把握に務めていくと説明しています。

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