「あの日、なぜ娘が死ななくてはいけなかったのか…」 飲酒運転の事故で娘を失った被害者遺族の女性が盛岡市の高校で講演 命の尊さを訴える

23年前、飲酒運転の軽トラックに娘をはねられて亡くした岩手県二戸市の女性が14日、盛岡市の高校で二度と被害者をつくらないよう生徒たちに命の大切さを訴えました。

(大崎礼子さん)
「あの日、なぜ娘が死ななくてはいけなかったのか、なぜ私の娘だったのか、どうしてとそういう気持ちが消えずに残っています」

飲酒運転の事故で娘を亡くした二戸市の大崎礼子さんが盛岡大附属高校の1年生から3年生およそ600人に向けて「娘を失って~生命(いのち)のメッセージ~」と題して講演を行いました。この講演は命の大切さを知ってもらおうと県警が2009年に始めたもので、大崎さんは何度も講師を務めています。

大崎さんは23年前の2000年11月28日、二戸市内の県道で集団登校中だった当時7歳の長女・涼香(りょうか)さんを飲酒運転の軽トラックにはねられる事故で亡くしました。事故のあと、大崎さんは全国各地で署名活動を行い、飲酒運転の厳罰化に取り組みました。

(大崎礼子さん)
「被害にあったり大切な人を突然奪われたらどんな悲しみや苦しみが待っているのか、どうして被害者になってはいけないのか、加害者になってもいけないのか、いろんなことを考えるきっかけになればいいなと思っています」

大崎さんは事故の悲惨さや娘を奪われた苦しみに加え、人の痛みや悲しみを考えられる人になってほしいと訴えました。

(大崎礼子さん)
「皆さんには生きたくても生きられなかった人たちの時間も大切に生きてほしいです」

大崎さんの訴えを聞いた生徒たちは…

(生徒)
「迎えたかったあしたが迎えられなかった人たちの思いを背負って、今の自分を全力で生きなければいけないと思いました」

(生徒)
「大人になって、できることも増えてその分責任も増えると思うので法律やルールをしっかり守っていきたい」

生徒たちは大崎さんの講演を聞いて、命の尊さについて真剣に考えていました。

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