【MLB】〝韓国のイチロー〟李政厚の不運 負傷の左肩はKBO時代に手術した古傷だった

李政厚(中)はフェンス激突後、チームドクターとともベンチへ下がった(ロイター=USA TODAY Sports)

ハッスルプレーの代償は大きかった。米大リーグ・ジャイアンツの李政厚外野手(25)は12日(日本時間13日)のレッズ戦の守備で、中堅フェンスに激突。左肩の脱臼と発表され、故障者リスト入りする見通しとなった。

高い打撃センスを誇り「韓国のイチロー」と称される左の巧打者は昨オフ、6年総額1億1300万ドル(約170億円)の大型契約でジャイアンツ入り。メジャー1年目の今季はここまで打率2割6分2厘、2本塁打、8打点、2盗塁の成績を残していた。

MRI検査の結果次第では、最悪「手術」に踏み切る可能性も避けられない事態となったが、韓国大手紙「朝鮮日報」は、李政厚の不運を同情的に報じている。というのも、今回の負傷箇所が何度も泣かされた古傷だったためだ。「靱帯(じんたい)損傷などが見つからなければ、数週間程度の休養とリハビリで回復すると見られるが、ひどい場合は手術が必要になる」とした上で「李政厚は韓国プロ野球時代に同じ箇所を2度負傷したことがあり、手術を受けている」と既往歴を詳細に報道。ケガを恐れない全力プレーの延長線上で起こっただけに、なんとも気の毒な離脱となった。

日本人選手に負けずと、パドレスの金河成(キム・ハソン)とともに韓国人選手のメジャー挑戦を後押しする存在として期待が大きかった李政厚。夢の扉を開いた矢先の古傷故障は、多方面に暗い影を落としそうだ。

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