「涙の女王」クァク・ドンヨン“ホン・スチョルの変化を見せるため撮影中に8kg減量した”【ネタバレあり】

※この記事にはドラマのストーリーに関する内容が含まれています。

写真=BLITZWAY STUDIOS

俳優クァク・ドンヨンが、tvN土日ドラマ「涙の女王」の撮影秘話を公開した。

クァク・ドンヨンは、4月28日に韓国で放送が終了した「涙の女王」でクイーンズグループのホン・スチョル役を務め、熱演を披露した。

ホン・スチョルはホン・ヘイン(キム・ジウォン)の弟で、優秀な姉に劣等感を抱きながら奮闘する人物だ。クァク・ドンヨンは、妻のチョン・ダヘ(イ・ジュビン)に裏切られ、息子のゴヌが自分の実の子供ではないことを知りながらも、家庭を大切に思って守るホン・スチョルの愛を表現し、視聴者の涙腺を刺激した。

最近、ソウル江南(カンナム)区のカフェでNewsenと会ったクァク・ドンヨンは、近況について「2月末頃に撮影が終わって、PR活動まで終えてからは、早く日常を取り戻そうと努力しています」と明かした。

視聴率5.9%(視聴率調査会社ニールセン・コリア全国基準)でスタートした「涙の女王」は、4月28日に放送された第16話が全国基準24.9%を記録し、tvNドラマの歴代最高視聴率を更新。これまでヒョンビン&ソン・イェジン主演の「愛の不時着」の視聴率21.7%が1位だったが、これを超えた。「愛の不時着」も、今作の脚本家パク・ジウンのヒット作だった。

これについてクァク・ドンヨンは「聞く度に実感が湧きませんし、ありがたい数字を記録して、本当に個人的にも気分が良く、嬉しいことだと思っています。今回は特に親しい俳優、スタッフの方々が多かったのですが、彼らがどれだけ諦めずに頑張ったか知っているんです。その努力が評価されたようで嬉しいです」と話した。

「涙の女王」の俳優と制作陣は最近、2度目の打ち上げを行った。クァク・ドンヨンは「基本の人数が350人だと聞いていましたが、それを超えたらしいです。事務所に連絡が来て、(スタッフを)もう少し少なめにしてほしいと言われました。ポストプロダクション(撮影後の作業の総称)のスタッフの方々、翌日に結婚式がある照明スタッフまで来てくれて、お酒を飲んでいました。最後に気兼ねなく話をする時間でした」と振り返った。

彼は「涙の女王」を通じて、もう一度視聴者に強い印象を残した。それはホン・スチョルをリアルに表現するための彼の努力があったからこそ可能だった。クァク・ドンヨンは、「『近道をせず、スチョルが持つ変化に富んだ姿を、最初から最後まで全部出し切ろう。見る人々がこのキャラクターの成長をどれだけ応援するようになるか見てみよう』という気持ちで、正直な姿を見せようと努力しました」と振り返った。

また、「ダヘが去ってから戻ってくるという設定を知っていたので、裕福な暮らしをしていた姿から、様々な悪いことが起こり、だんだん痩せていき、再びダヘに会うという流れを外見の変化でも見せたいと思いました。そのため序盤に増量して、中盤以降に6~8kgほど体重を落としました。お金持ちだけど、これまで演じたキャラクターと重ならないようにしたくて、スタイリストの方々とたくさん悩みました。自分がお金持ちであることをアピールしたいけれど、みんなには知られたくないという複雑な気持ちもあると思い、そのような部分も考えて準備しました」と話した。

ホン・スチョルとのシンクロ率については、「半分くらい」と回答。彼は「相手と軽いジョークで打ち解けていく方法、愉快な対話が好きなところは似ていますが、その他のスチョルの愚直な面は、僕にはないと思います。また、僕が持っている他の姿がスチョルにはないと思います。お互いに補い合いながらキャラクターを作っていったような気がします。スチョルのような状態だったら、社会生活はできなかったと思います」とつけ加えた。

ホン・スチョルはチョン・ダヘに一途なキャラクターだった。クァク・ドンヨンは、ホン・スチョルの無限の愛について、「ダヘが去った後、偶然ゲームでダヘを見つけ、最初に話した内容がゴヌの予防接種のことだったのは、とてもかっこよかったです」とし、「子供も同じ脈絡だと思いますが、スチョルにとって重要だったのは、自分がへその緒を切り、育て、自分をパパだと呼ぶことでした。スチョルの考え方だから可能だった部分だと思いますし、僕はスチョルについて研究し、アプローチしながらそのように感じました。このキャラクターが人々に愛された理由は、私たちみんなが一度はそのような絶対的な愛を一瞬でも感じたか、夢見たことがあったからだと思います。スチョルを演じながら、僕もそのような絶対的な愛に対する種があると思いましたし、僕だけでなく誰にでもあると思いました」と分析した。

劇中で息子のゴヌは、設定上ホン・スチョルの実子ではなかったが、クァク・ドンヨンに似た外見で話題を集めた。これに対して彼は「似たような子が現れて、本当に不思議な気分でした。子持ちの知人と会話をしていると、見る度に僕を見るようだと言っていました。実際に僕が写真を見ると、似ていないと思うこともあり、その視線は主観的なものかもしれないと思いました。心が生み出した視線なのかもしれないと思いました」と語った。

続けて、「ゴヌ役を演じたク・シウという子は、演技の天才でした。撮影する上ですごく助けられました。とても可愛くて、疲れている時、現場にいる多くの方々が癒されました。僕は目つきなどが、僕よりもイ・ジュビンさんに似ていると思いました。だからとても可愛い子だと思いました」と明かした。

ヨンドゥ里の撮影秘話も公開した。クァク・ドンヨンは「ヨンドゥ里の撮影に行く度にとても楽しかったんです。もともと自然が好きなので、美しい村に撮影時間よりも早く行って、縁台に座っていることもありました。スチョルがヨンドゥ里に行って感じたであろう解放感を考えたりもしました。自分の主体性と幸せを見出すけれど、その前までは苦難の連続なので、それを表現するために体重も6~8kgほど減量しました。ヨンドゥ里に住むことに慣れ始めた14話目くらいから、チョン・ベス先輩の服をもらって着て、田舎のスリッパをはいて歩きながら、そのような変化を見せようとしました」と話した。

クァク・ドンヨンはコミカルな演技、アドリブの達人として知られている。彼は「基本的にコメディが好きなんです。『涙の女王』では年齢を問わず、誰にでも通じるコメディが必要だと思いました。そのポイントをどこで見つけられるか考えました。面白い台本だったので、面白いものをもっと面白くしなければならないというプレッシャーは大きかったですが、現場で先輩たちが演技の面でたくさんサポートしてくれたおかげで、面白くなったと思います」と語った。

記憶に残っているコミカルな演技については、「中国語を話すシーンがあります。そのシーンの台本に『スチョル。適当な中国語を話す』と書かれていました。脚本家さんが『ドンヨンさんが何とかしてくれるでしょう』と言ったそうです。偽の中国語を言うべきか、本物の中国語を言うべきか、監督たちとたくさん打ち合わせをしました。様々な案があり、最終的に採用されたのがパクチーの話でした。そのシーンはすごく悩みましたし、何度もNGが出ました。みんな笑いを堪えるのが大変でした。ボムジャ役のキム・ジョンナン先輩が我慢できずに笑ったけれど、そのまま放送されたようです」と説明した。

さらに「笑い、コメディが与える力は大きいと思います。悪いことを考えるなと言われたら、逆に頭から離れなくなるじゃないですか。それを直ちに転換させることができるのが笑いだと思います。人と人が距離を縮める上でも1番良い薬だと思います。だからコメディというジャンルを愛しています」と明かした。

劇中ホン・スチョルは、母親の過保護のため、1人で自転車も乗れなかった人物だった。チョン・ダヘに裏切られた後は、自転車、ボクシングなど、人生全般について新たに学び、チョン・ダヘの頼もしい夫、ゴヌの凛々しくて優しい父親として成長し、感動を与えた。

クァク・ドンヨンは「自転車は元々選手級でした」と冗談まじりに話した。キム・スヒョンレベルかという質問には、「キム・スヒョン兄さんほどではありません。僕は街をまわるくらいです」と笑った。彼は「ある時は永登浦(ヨンドゥンポ)から坡州(パジュ)まで自転車で行きました。高校生の時はお金もなく、できることがないので、夜に練習生の友人たちと自転車に乗って会話していたところ、『ようこそ。坡州です』という看板が出てきたんです」と話した。

また「自転車に乗れなかった時を全然覚えていないので、自転車に乗れない人の動きを表現するのにすごく苦労しました。全然思い出せないので、YouTubeも探して見たりもしました」とつけ加えた。

世間知らずのホン・スチョルと共に、俳優クァク・ドンヨンも成長した。彼は「完成型のスチョルを完成型までうまく引っ張っていくことが、僕にとって1番大きな宿題でした。幸いなことに、無事にたどり着いたようで、本当に良かったと思っています。その成長する過程を本当に素直に表現してみようという気持ちが1番大きかったです。包み隠したり、近道をせず、台本に表現されている通りに、スチョルの未熟で不足している部分をありのままに表現してみようというのが僕の挑戦、課題だったのですが、無事に終えたようで、その部分については安心し、良かったと思っています」と明かした。

俳優として成長した点は何だと思うかという質問には、「現場にいたキム・スヒョンさん、キム・ジウォンさん、先輩たちから、集中力を失わずに現場を包容する態度などを学びました。本当に尊敬できる先輩たちと長い間撮影したら、これが良いことだと教えてくれなくても、見て学べることが多かったです。演技的にも多くの滋養を吸収できた感じがします」と答えた。

ホン・スチョルとホン・ヘインは、リアルな姉弟ケミ(ケミストリー、相手との相性)で視聴者から愛された。クァク・ドンヨンは「本当の弟がどのように話してどのように不満を表現するか、深く議論しました。実際に姉がいますが、幼い頃から練習生をしていたため離れて過ごしていたので、物理的に一緒に過ごした時間が多くはなかったのですが、小学校あたりからの姉とけんかした記憶をできるだけ引き出してやってみました」と話した。

キム・ジウォンとの共演については、「以前KBS 2TV『サム、マイウェイ』で少しだけ共演した時も、どれほど良い人なのかよく分かりましたし、良い記憶として残っていました。心の中に親近感が残っていたので、もう一度親しくなるのにはあまり時間はかかりませんでした。絶対にお互いを助けてくれるだろうという信頼がありました。お互いに悩みがある時はサポートして、たくさん手伝っていただきました」と振り返った。

キム・スヒョンとの共演も好評だった。クァク・ドンヨンは「キム・スヒョンさんともtvN『サイコだけど大丈夫』で少しだけ一緒に演技をしましたが、以前から本当にファンでしたし、その後もファンでした。それ以来、『サイコだけでも大丈夫』チームとしばしば時間を過ごして距離が縮まったので、現場で会った時は気楽な感じでした。僕がどんな演技をしても受け入れてくださる方なので、言葉で表現しなくても、お互いに何をしたいのか分かっている感じがしました。おかげでやりたいと思った演技を後悔なくできました」と話した。

「涙の女王」は、どのような意味を持つ作品として記憶に残ると思うかという質問には、「『涙の女王』は個人としても俳優としても、拡張の意味が大きいと思います。本当に素晴らしい先輩たち、スタッフの皆さんと一緒に仕事をしたので、演技者としての知見、視覚、深さのようなものが拡張されたと思います」と話した。

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