岡山大陸上部 出雲駅伝へ強化に力 創部75周年 CFで合宿費用募る

出雲駅伝に向けて強化を図る岡山大の選手たち=岡山市内

 岡山大陸上部が創部75周年の節目に初出場する出雲全日本大学選抜駅伝(10月14日・島根県出雲市)に向けて強化を図っている。大学三大駅伝に数えられる伝統レースで、部員たちは「夢のような舞台。活躍して『岡大』の名前を全国にアピールする」と燃える。さらなるレベルアップに向け、合宿や遠征費用をクラウドファンディング(CF)で募っており、既に100万円を突破した。

 出雲路への切符は理想的な展開でつかんだ。出場3枠を争った昨年11月の中国四国学生駅伝(6区間53.5キロ)で、2時間43分38秒の記録で準優勝。1区岩崎亮太が2位発進し、4位で出た4区木戸颯が一つ順位を上げる。そしてアンカーの旭隼佑が西日本インカレ1万メートル3位の実力を見せつけ、1人をかわして歓喜のゴールに飛び込んだ。

 陸上部は1949年発足。現在は125人が所属し、うち長距離部門の男子は25人。監督やコーチはおらず、学生主体で運営するチームは近年、急速に力を付けてきた。

 一段の飛躍のきっかけは2年前に加わった石鍋颯一の存在が大きい。強豪の青学大を卒業し、歯学部に編入学。青学大ではけがでメンバー入りはならなかったが、4年時にマネジャーとして箱根駅伝総合優勝を支えた。

 そんな新戦力がチームに注いだのが“青学のメソッド”だ。練習メニューを見直し、体幹強化や脚力向上に重点を置いた。ランメニューも単に走るのではなく、練習の意図を理解しながら質の高い鍛錬を重ね、各部員のタイムが大幅短縮した。「もっと上に行けるチームだと思っていた。結果が出てうれしい」と石鍋。自身も主力として中国四国学生駅伝を走った。

 今後は8月に長野県で高地合宿を行うなどして仕上げていく。CFでは出雲までの交通費や宿泊費なども賄いたい考え。当初の目標100万円はクリアし、「ネクストゴール」の300万円を目指して6月17日まで受け付ける。長距離部門リーダーの福永伸之介は「多くの方が応援してくれてありがたい。これを機に全国舞台の常連校に成長したい」と力を込める。

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 CFは山陽新聞社や中国銀行などが運営する「晴れ!フレ!岡山」を活用。詳細は専用サイト(https://readyfor.jp/projects/okadai_izumo)。

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