新卒社員は3年以内に辞める人が多いって本当?理由は一体何?

新卒の3年以内離職率

厚生労働省によると、新卒社員の3年以内の離職率は大学卒が32.3%、短大卒が42.6%、高校卒が37.0%、中学校卒が52.9%となっています。日本では、3年以内に離職する大学卒の割合が30年近く3割前後となっています。

理由は様々ですが、リクルートマネジメントソリューションズが行った調査によると、希望する業務と実際の業務のミスマッチや、長すぎる労働時間、人間関係などが原因でやめる人が多いといわれています。

早期離職による企業にかかる負担

離職が早ければ早いほど、企業の負担は大きくなります。採用するだけでも、求人広告費用や企業説明会などのイベント運営費用などのコストがかかっています。

また入社後には、教育指導にかかる費用や入社から退社までの給与・社会保険料といったコストもかかります。さらに新たな人材の確保のためのコストも必要となり、通算すると数千万円の負担がかかっているのです。

仕事をやめずに働き続ける理由は?

では、早期退職せずに仕事を続ける人はどんな考えを持っているのでしょうか。リクルートの調査によると、企業をやめずに働き続けるうえで、最も多かった理由は「転職も検討しているが、リスクもあると感じているから」という人が21.3%でした。

次に「会社がつぶれる心配がないから」という人が18.0%となっており、「仕事にやりがいや意義を感じているから」という人は2.8%と低い数字でした。

長期間勤務している人の共通点として言えることが、安定を求めているという点です。また、職場の人間関係が良好であったり残業がなく休みが取りやすかったりと融通の利く企業に勤めていて、やりがいよりも働きやすさを重視しているという点も挙げられます。

つまり、長期間同じ企業に勤めている人は、自分の希望に合った企業に勤めているといえる場合もあるでしょう。

新入社員の早期離職の対策

早期離職対策として実施すべきことは、面接時に企業理念や業務内容に認識のずれがないか確認し採用のミスマッチをなくすことです。しかし、入社後にズレが生じると感じるケースはよく見られます。そのような場合に効果的と言われている方法が、「1on1」という上司と部下が1対1で話し合う個人面談です。

新入社員にとって、勤め始めた企業は新しい世界なので、分からないことが多くあると思います。そのため1人で悩ませることがないように、いつでも相談しやすい環境をつくるといいでしょう。

多様な働き方を選択できる社会のなかで、価値観に沿った働きやすい企業にしていくために、可能な限り社内の環境や元々ある制度を見直してみてください。

出典

厚生労働省 報道・広報
リクルート プレスリリース
リクルートマネジメントソリューションズ

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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