花譜の歌声合成ソフト「可不」予約が全てキャンセル決定 発売の見通し立たず

バーチャルシンガー・花譜さんを擁するクリエイティブレーベル・KAMITSUBAKI STUDIOが、人工歌唱ソフトウェア「音楽的同位体 可不(KAFU) collaboration with Synthesizer V AI / The Right Stuff ver.」(以下、同製品)のすべての予約を、一旦キャンセルとすることを発表した。

理由について、KAMITSUBAKI STUDIOは「未だ発売日の見通しが立たない現状を鑑み」たためと説明。順次予約金の返金対応が行われる。

新型「可不」すべての予約が一旦キャンセルに

2023年12月23日に発売延期が発表されていた同製品。これまでは希望者のみキャンセルを受け付け、返金対応を行っていた。

今回の発表を受けて、KAMITSUBAKI STUDIOの公式オンラインストア・FINDME STOREでの予約は、自動的にキャンセル扱いになる。返金は5月末までに順次対応する。

他の販売店に関しては予約のキャンセル対応をお願いするという形を取っており、返金に関しては「各販売店へお問い合わせください」としている。

KAMITSUBAKI STUDIOは、公式Xを通じ「ご予約いただきました皆さま及び販売店様には、重ねて深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

花譜さんの歌声をベースにした「可不」 発売延期の経緯

「可不」は、KAMITSUBAKI STUDIO所属のバーチャルシンガー・花譜さんの歌声をベースにした歌声合成ソフトウェア。

同製品は、歌声創作ソフト・Synthesizer V(より人間らしく歌わせられるのが特徴)版の新型として発表。2023年9月4日に先行予約が開始された。

同年12月13日にYouTubeにデモ音源として「フォニイ」のカバー動画が公開されると、クオリティの高さが話題になり注目を集めた。

しかし、同年12月23日に公式Xを通じて発売延期が発表。

当初は理由が不明だったが、2024年4月12日に、KAMITSUBAKI STUDIOのプロデューサー・PIEDPIPERさんが、花譜さんとの合意が取れていないためと理由を明らかに。

また、その中で開発するDreamtonics社およびAHS社、花譜さんを含めた関係者全員で調整を進める一方で、発売できない可能性もあると説明していた。

さらに4月17日には、花譜さんから発売延期に関する報告と謝罪も行われている。

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