安心して暮らせる町へ…高齢化進む大崎町、クラファンで「かかりつけ医」確保に本腰 土地や建物、医療機器購入など最大1億円助成

町内で開業する医師を募る東靖弘町長(中央)=14日、大崎町役場

 鹿児島県大崎町は14日、町役場で会見を開き、4月に創設した内科・小児科の町内開業に最大1億円を助成する「町医療確保プロジェクト」への寄付を呼び掛けるクラウドファンディング(CF)を始めたと発表した。

 町によると、町内の診療所は現在3カ所で、この十数年で半減した。医師はいずれも65歳以上で後継者不足が懸念されることや、高齢化率が41.4%(4月末時点)でかかりつけ医が必要なことから、開業医誘致に乗り出した。

 事前審査を経て、土地取得費や建物建設(改修)費、医療機器購入費を助成、固定資産税も年100万円を上限に補助する。新規開業か既存診療所の承継が対象で、町内居住は問わないが、10年以上の開業見込みなどの条件がある。

 CFの目標額は1000万円。「ふるさとチョイス」ホームページで8月12日まで募る。町商工観光課は「地域医療を応援したい気持ちを受け止める窓口。ぜひ協力を」としている。

 会見で東靖弘町長は「安心して暮らすには身近に医師がいることが大事。地域医療に興味がある医師は、大崎町での開業を検討してほしい」と呼び掛けた。

会見で町内で開業する医師を募る東靖弘町長=14日、大崎町役場

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