鹿児島県内のトイレで女性を盗撮したとして、枕崎署の巡査部長の男(32)が性的姿態撮影処罰法違反(撮影)などの疑いで13日に逮捕された事件を巡り、県警は14日までに、野川明輝県警本部長名の緊急通達を全職員に出した。本年度に入って3人の現職警察官が逮捕される異常事態を背景に、県警は「組織全体の引き締めを図った」と説明している。
県警によると、緊急通達は13日夜、県内全27署にメールで送信し、全職員に確認を求めた。内容は「警察官としての誇りと使命感を醸成し、健全な組織風土を作るよう指示したもの」としている。4月19日にあった署長会議では再発防止策を共有しており、森満雅哉・警務部管理官は13日の会見後「尋常ではない状況だ」との危機感を示した。
巡査部長は2023年12月15日、県内の女性用トイレに侵入し、自身のスマートフォンで個室にいた県内の30代女性を盗撮した疑いが持たれている。
牛垣誠首席監察官は13日の会見で、女性が12月中旬に「盗撮されたような気がする」と警察に相談して発覚したと説明。勤務中かどうかなど詳しい経緯は「捜査に支障がある」として明らかにしていない。
巡査部長は勤続10年目。当時は枕崎署警備課で災害対応や要人警護を担当し、今年3月に同署地域課に異動した。