ロシア大統領府人事、プーチン氏側近パトルシェフ氏を降格

Guy Faulconbridge Andrew Osborn

[モスクワ 14日 ロイター] - ロシア大統領府は14日、大統領府の高官人事を発表した。冷戦時代に安全保障戦略を立案したニコライ・パトルシェフ国家安全保障会議書記は造船業を監督する地位に就く。

大統領府のアントン・ワイノ長官、アレクセイ・グロモフ、セルゲイ・キリエンコ両第1副長官は再任された。

過去にプーチン大統領のボディーガードを務めていたトゥーラ州のアレクセイ・デューミン知事が新たに大統領府に入った。経済顧問のマクシム・オレシキン氏は副長官に就任する。

パトルシェフ氏はプーチン氏と同じサンクトペテルブルク出身でソ連時代にKGB(国家保安委員会)に籍を置いた。同氏は安全保障理事会書記として16年間政治の中枢にいたが、今後は大統領補佐官として造船業を監督する立場となる。

ロシアのある高官は「オレシキン氏は昇進し、デューミン氏は(プーチン氏に)より近くなったが、パトルシェフ氏は大幅に降格された」とロイターに語った。

大統領府はパトルシェフ氏の人事について、造船業は「完全に戦略的な部門」で、同氏がさらなる職責を担う可能性を排除しないとした。大統領府にとどまることから、同氏は今後もプーチン氏に対し一定の影響力を持つとみられる。

このほかデニス・マントゥロフ産業貿易相が第1副首相に指名され、産業を統括する。エネルギー部門を監督するアレクサンドル・ノバク副首相は留任するが、経済担当も兼務する。

関係筋はオレシキン氏の立場は政府内でのノバク氏の役割強化と合致し、重要な経済問題の解決に向けて取り組むことになると述べた。別の情報筋は経済政策に関して大統領府の権限が強まっており、オレシキン氏の役割が重要になっていると指摘した。

元大統領府顧問のセルゲイ・マルコフ氏は「デューミン氏は新しい補佐官だ」とし、プーチン氏はデューミン氏を自分の後継者と考えているとの見方が多いと述べた。

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