水俣病懇談会の発言3分マイク切りは17年から運用…「もっと長い時間取れる日に設定」と環境相 新たにタスクフォースを設置

記者の質問に答える伊藤信太郎環境相=14日、環境省

 伊藤信太郎環境相は14日の閣議後会見で、水俣病の患者・被害者団体との懇談でマイクを切って発言を遮った問題を巡り、団体側の発言時間を1人3分程度とする運用は2017年から続いていたと明らかにした。3分と決めた理由や、途中でマイクを切る対応が始まった経緯は不明とした。

 発言が一定時間を過ぎた場合にマイクを切る方針は昨年もあったが、実際に切ったのは今回が初めてだった。伊藤氏は「3分という時間が十分でない。(慰霊式がある)5月1日だけでなく、もっと長い時間が取れる日にも設定していいのではないか」と述べた。

 今回の問題を受け、政務三役や事務次官ら幹部、新たに置いた水俣病担当の審議官など29人で構成する「水俣病タスクフォース」を13日付で設置したことも公表。「期限を定めず、省内横断的に力を結集して問題に取り組む」と強調した。

 団体からの要望を踏まえて再び設けるとした懇談の場は、担当の審議官が15日に熊本県を訪問して調整するとした。

 同省がマイクを切ったと認めている2人に加え、別の被害者団体会長も発言が遮られたと主張していることについて、伊藤氏は「改めて確認したが、切ったのは2回と報告を受けた」と話した。

 懇談会は、熊本県水俣市で1日あった犠牲者慰霊式の後に開かれ、八つの患者・被害者団体と伊藤氏が出席した。団体側の発言中、持ち時間の3分が過ぎた後、環境省の職員が発言者2人のマイクの音を切った。

〈別カット〉記者の質問に答える伊藤信太郎環境相=14日、環境省

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