日本版ライドシェア 成長タクシー(青森市)が参入届け出 県内初、他に13社意向

 一般ドライバーが自家用車を使い有料で乗客を運ぶ「日本版ライドシェア」について、青森市の成長タクシーが国に参入を届け出たことが14日、同社や東北運輸局への取材で分かった。県内で参入の動きが明らかになるのは初めて。同運輸局によると、青森市などを範囲とする「青森交通圏」で営業する他の13社も参入の意向を示しており、6月以降順次、運用が始まる見通し。

 ライドシェア参入の動きは東北では仙台市に続き青森交通圏が2カ所目。

 成長タクシーは金曜の夕方から土曜の早朝まで最大6台で運行する方針。当面は稼働していないタクシー車両を活用して同社の事務社員がドライバーを勤める計画で、一般ドライバーも随時募集する。

 成田康太郎社長は「大都市圏でライドシェアの導入が始まる中、青森市ではどの程度の需要があり、一般ドライバーの希望者数がどれくらいいるのか、検証を兼ねて参入を決めた」と述べた。

 日本版ライドシェアは国が配車アプリの情報に基づき、4月から東京や京都などタクシーが足りない地域で時間帯を限定して導入を認めている。青森県など地方ではタクシー事業者から参入の届け出があった場合、地域内の他の事業者の意向も調査した上で許可するルールとなっている。

 青森交通圏の場合、東北運輸局青森運輸支局が成長タクシーから2日付で届け出を受け、他事業者の意向を調査。13日の締め切りまでに成長タクシーを含め、全16社のうち14社が参入を希望したという。

 同運輸局は23日に、青森交通圏に設定したライドシェア用の車両枠計19台の配分を各社に通知する予定。各社は順次、国の許可を得た上で運用を開始する。

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