【中国】アリババ、24年3月期は10%増益[IT]

中国電子商取引(EC)最大手、阿里巴巴集団(浙江省杭州市、アリババグループ)が14日発表した2024年3月期本決算は、純利益が前年比10.0%増の797億4,100万元(約1兆7,200億円)だった。主力事業が堅調に伸びた。ただ各種コストが増えた上、のれん代の減損損失も拡大し、最終利益の伸びを抑えた。

営業利益は13.0%増の1,133億5,000万元となった。売上高営業利益率は12%で、前年から横ばい。

売上高は8.3%増の9,411億6,800万元。事業会社別に見ると、「淘宝(タオバオ)」や「天猫(Tモール)」など国内ECサイトを運営する「淘天集団」は5.2%増の4,348億9,300万元。総取引額(GMV)が順調に伸びた。

「ラザダ」や「全球速売通(アリエクスプレス)」など国際ECサイト事業を担う「阿里国際数字商業集団」は45.5%増の1,025億9,800万元だった。アリエクスプレスなどが好調で、小売事業の収入が6割増加した。

その他の事業会社は、◇物流事業の「菜鳥集団」:27.7%増の990億2,000万元◇クラウド業務や人工知能(AI)事業などを担う「雲智能集団」:2.8%増の1,063億7,400万元◇地図アプリ「高徳地図」と出前アプリ「餓了麼(ウーラマ)」を手がける「本地生活集団」:19.0%増の598億200万元◇動画やコンテンツ制作事業の「大文娯集団」:14.6%増の211億4,500万元——。

スーパーマーケット事業の「盒馬鮮生」などを含むその他の売上高は2.4%減の1,923億3,100万元となった。小売事業を展開するグループの高シン零售(シン=金が三つ)の減収が響いた。盒馬鮮生は増収。

■1~3月は8割強落ち込み

アリババの24年1~3月期決算は、純利益が前年同期比86.1%減の32億7,000万元だった。コストが膨らみ、投資収益と利息収入が大幅なマイナスに落ち込んだ影響を受けた。

営業利益は3.1%減の147億6,500万元となった。

売上高は6.6%増の2,218億7,400万元。事業別では、淘天集団が3.7%増の932億1,600万元、阿里国際数字商業集団が45.1%増の274億4,800万元だった。雲智能集団は3.4%増の255億9,500万元、菜鳥集団は29.8%増の245億5,700万元、本地生活集団は18.5%増の146億2,800万元。大文娯集団は0.9%減の49億4,500万元、その他事業は3.5%減の514億5,800万元となった。

呉泳銘・最高経営責任者(CEO)は、「戦略効果が1~3月期に表れ、業績は再び成長軌道に乗り始めている」と表明。淘天集団と海外EC事業はGMVがともに前年同期比で2桁の伸びを示し、AI製品と関連クラウドからの売り上げも拡大していると説明した。

3月末時点の従業員数は20万4,891人。前年同月末から約1万4,300人(6.6%)減った。

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