【ミャンマー】タクシン氏らの仲介外交、懐疑的な見方も[政治]

混乱が続くミャンマー情勢の改善に向けたカンボジアのフン・セン上院議長とタイのタクシン元首相による仲介の動きに、人権団体や政治家が懐疑的な見方を示している。タイの公共放送局タイPBSが13日に伝えた。

国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)アジア部門のスナイ主任研究員は、タクシン氏がミャンマーの少数民族武装勢力に送ったとされる文書の草案の内容に言及。「草案が本物かは不明」とした上で、「仲介を依頼されたと思わせたいタクシン氏の意図が読み取れる」と指摘した。文書は、ミャンマー国軍と民主派や少数民族武装勢力の仲介をタクシン氏に依頼する内容となっている。

スナイ氏は、戦場で優位に立つ少数民族武装勢力がタクシン氏の仲介に伴い、和平と引き換えに譲歩を迫られる可能性があることに懐疑的になっているとの見方を示した。同氏の動きが国軍のための時間稼ぎか、タイ政府や東南アジア諸国連合(ASEAN)が認めたものなのかも不明だと断じた。

タイの最大野党・前進党のランシマン議員は、タクシン氏の動きはタイ政府の同意を欠いたものであり、問題を引き起こす恐れがあるとの懸念を示した。

フン・セン氏とタクシン氏は、月内に面会すると伝えられている。

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