滑川でオーロラ見えた 21年ぶり県内観測

滑川市吉浦の海岸で撮影されたオーロラ=11日午後9時10分(20秒露光、野寺凜さん撮影)

  ●夜空に赤い光「まさか」

 富山県内で太陽の表面で連続して発生した「太陽フレア」と呼ばれる大規模爆発の影響とみられるオーロラが観測された。県内での観測は2003年10月以来、21年ぶりで気象関係者からは「まさか富山で見られるとは思わず、感動した」との声が聞かれた。

 黒部市吉田科学館学芸員の野寺凜さん(31)は11日夜、滑川市吉浦の海岸で、赤いオーロラを撮影した。

 野寺さんによると、肉眼でも北の空がうっすらと赤みがかっているのが分かった。午後9時10分ごろ、20秒のスローシャッターを切ると、水平線に低緯度で見られる赤色の光が夜空に広がった。

 太陽の表面で起こる爆発現象「太陽フレア」が頻繁に発生している影響で世界各地でオーロラは観測された。普段は確認されない英国や米国の南部、中国北部、東欧ルーマニアなどでも見られた。国内でも石川県や北海道などで太陽フレアの影響とみられるオーロラのような現象が観測された。

  ●氷見でも撮影 判別つかず

 氷見市でも上野俊昭さん(83)=同市本町=が13日夜にオーロラとみられる現象を撮影した。富山市科学博物館によると、山の上の雲と同じ色であるため、オーロラかどうか判別はできないという。

 上野さんは13日午後8時ごろ、氷見市松田江浜で撮影。同8時半ごろに同市堀田の農地に場所を移してカメラに収めた。F4の絞りで30秒のスローシャッターを切ると、能登方面の山側で夜空がうっすらと赤色に染まる様子が撮れた。

 上野さんは「氷見で見られるとは思っていなかったので、(写真に撮れて)うれしかった」と話した。

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