「カレーの要」ショウガ栽培 犀川地区、地域おこし協力隊・山部さん

ショウガの植え付けに取り組む山部さん(奥右)、原さん(奥左)と金沢学院大附属高の生徒=金沢市辰巳町

  ●金沢学院大附属高や地元農家も協力

 カレーで金沢市犀川地区の活性化に取り組む地域おこし協力隊の山部裕太さん(32)が中心となって、地区内でスパイスカレーの味の要となるショウガ栽培を始めた。栽培には金沢学院大附属高の生徒や地元農家も協力し、山部さんが運営する子ども食堂で振る舞うカレーに使う。12日に辰巳町の畑で初めての植え付け作業が行われ、地域の新たな特産品に育てようとしている。

 山部さんは「カレーで地域おこし」を掲げ、親子対象の料理教室を開くほか、末町にカレー専門店をオープンしている。市民グループ「みんなのカレーハウスさいがわ」の代表も務め、子ども食堂で振る舞う活動にも力を入れている。

 ショウガ栽培は、カレーに地域性を取り入れようと企画。山部さんによると、犀川地区ではかつてショウガ栽培が盛んだったが、近年はほぼ作られなくなり、復活させる意味合いもある。栽培に当たっては、子ども食堂の運営に協力している金沢学院大附属高ラーニング部にも手伝いを依頼した。

 12日は辰巳町の畑で植え付けを行い、地元のおんぼら農園の原一平代表(44)が指導。長さ12メートルの三つの畝に種ショウガ約120個を植え、生徒らが土をかぶせた。

 今後、夏場に草むしりを数回行い、10月下旬から収穫期を迎える。約3倍の大きさに成長すると見込んでおり、ラーニング部の穴田剛さん(3年)は「自分たちが育てるショウガが特産になるかもしれないと思うとワクワクする。でっかくなってほしい」と笑顔を見せた。

 山部さんは「ショウガはカレーの味の肝。栽培を通じて地域交流にもつなげたい」と話した。

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