学生起業家集まれ 富大「起業部」がシェアハウスを開設 刺激し合い、相談の場に

起業について語り合う(左から)渡辺さん、岡田さん、尾崎さん=富山市五福

 富大のサークル「起業部」を設立した富大大学院生の岡田航明さん(25)が、富山市五福で学生の起業を応援する「大学生チャレンジシェアハウス」を開設した。学生が住まいを同じくすることにより、互いに刺激し合い、相談しやすい環境を整える。新たな居住者を募っており、志ある学生の輪を広げることで起業意識の浸透を図る。

 シェアハウスは、岡田さんと県内でシェアハウス事業を展開する「空家活(あきかつ)」(南砺市)代表の吉田大地さん(26)が運営する。富大五福キャンパスから徒歩3分の3階建てで、現在は岡田さんと教育学部3年の尾崎日紀(はるき)さん(21)、工学部3年の渡辺万丈(たかひろ)さん(20)の3人が暮らす。最大6人まで居住できるため、残り3人を学外からも募集している。

 起業家支援の取り組みについては、富山経済同友会など経済団体が学生や社会人を対象に新事業のアイデアを競う大会「スケッチオーディション」を開催してきた。こうした中、岡田さんは昨年4月に学生自らが起業を考えるサークル「起業部」を発足させ、毎週日曜にアントレプレナーシップ(起業家精神)を高める活動に取り組んできた。

 ただ、各部員のやりたいことが異なるためにスケジュールが合わないケースもあったという。居住空間を一緒にし、モチベーションの維持につなげようとシェアハウスを設けることにした。

 時間を問わずに起業の相談をし合うことで異なる視点を得られたり、仲間の紹介を経て人脈が広がったりとの利点がある。屋上の改良にも力を入れ、気楽に話せる場の構築を目指している。

 ライフプラン設計を支援する仕事を目指す尾崎さんは「話せる相手がいる安心感があり、不安が和らぐ」と話した。イベント企画に取り組む渡辺さんは「変化が多くて楽しい」と語った。

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