【巨人】「筒香嘉智にだけは打たれるな」 球団は〝逃した大魚〟を警戒

〝ハマの大砲〟筒香の打席を注視する阿部監督(右)

巨人は14日のDeNA戦(富山)に2―1で逃げ切り、2連戦の初戦をモノにした。阪神が中日に敗れたため、チームは再び首位に躍り出た。その裏では試合の勝敗と同じくらい相手側から「5番・左翼」でスタメン出場した筒香嘉智外野手(32)との対戦結果に注目が集まっていた。

チームにとって3年ぶりの富山決戦。2回に岸田が今季1号となる先制&決勝2ランを放てば、先発した山崎伊も7回1失点の好投で無傷の4連勝を飾った。

ただ、この日は別の側面でも注目されていた。それが5年ぶりに古巣・DeNAに復帰した筒香との対戦だ。試合前にあいさつに訪れた〝ハマの大砲〟と約5分間言葉を交わした阿部慎之助監督(45)は「やっぱり雰囲気あるなと思って見ていたし、いいバッターであることには変わりない」と明かした。

そして試合では2打数無安打2四球の結果。「セ・リーグを盛り上げていこうぜ」と筒香に声をかけたという指揮官は試合後に「今日は四球が2つあったので、何とか明日は打ち取ってほしいなと思います」と語った。

そんなサバサバとした阿部監督とは対照的に、巨人関係者の一人は「初対戦で筒香にだけは打たれるわけにはいかなかった。山崎伊と岸田のバッテリーがよく抑えてくれた」と胸をなでおろした。というのも、日本球界復帰を決断した筒香の争奪戦には巨人も参戦。好条件を提示したものの、結果的に思いは届かなかった。最終的に〝フラれた〟ことは紛れもない事実で、逃した大魚に打たれれば目も当てられないところでもあった。この日の試合前までの直近5試合で打率2割7分8厘、2本塁打、5打点と好調だったこともあり、より警戒していたという。

打席に入れば「横浜の空高く~」とファンが大合唱で声援を送る。筒香に一発が出れば、流れを一気に持っていかれかねない。山崎伊は「1打席目、(対戦が)初めてだったので全然振ってこないなと。(4回の)セカンドゴロはいい当たりだったんですけど、何とかアウトを取れてよかった」。筒香との対戦をそう振り返っていたが、筒香獲りに失敗した球団側は今後も警戒を怠れなくなりそうだ。

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