「しょうがないと思うしかない」U-23日本代表、パリ五輪出場権獲得の裏で選手たちが受けていた“SNSの影響”。大岩剛監督は「僕の偽アカウントがあるみたい」

大岩ジャパンは4月に行なわれたパリ五輪の出場権がかかるU-23アジアカップで4大会ぶりの優勝。この大会の裏で、選手たちは“世間の声”に影響を受けていた。

それは大会期間中、選手の言葉の端々から感じた。今大会、準々決勝のカタール戦(4-2)で細谷真大と内野航太郎が大会初ゴールを決めたが、それまでのグループステージ3試合でFW陣はノーゴールだった。

そのことに対し、内野航はカタール戦後、「言われなくても分かってる。アタッカーは点を決めれば賞賛されるし、点を決められずに負けたら非難される。これだけ注目されるなら、点をとって全部ひっくり返してやろうと思っていた」と、様々な意見に対し、反骨心を持ってピッチに立ったと明かしていた。

SNSなどを通して選手たちに直接声が届く時代。5月14日に報道陣の取材に応じたU-23日本代表の大岩剛監督は、「再認識しました」と選手への影響を改めて感じたと明かし、こう語った。

「しょうがないと思うしかない。だって極端に言えば、試合が終わってロッカーに戻ったら、選手みんなが携帯を持っているから。でもこういう時代なんだって。しょうがないですよね、こればっかりは。

解決方法は僕の中にはない。携帯を絶対に持ち込んじゃ駄目とか、そういうことですよね。でもそっちの方が選手にとってはストレスになる」

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ただ指揮官は、SNSが必ずしも選手にとってマイナスではなく、プラスにもなり得るとしつつ、選手の判断に任せるしかないとの見解を示した。

「もしかしたらネガティブな経験をした選手は(SNSを)見ないようになるだろうし、むしろ力になった選手は逆にそれを活用する。だからそれは本当に経験談とか体験談でしか、測れないと思う」

なお大岩監督自身はSNSを一切やっていないようで「僕はやれない」としたうえで、「でも僕の偽アカウントがあるみたい。排除方法も知らないから、ほっといてますけど(笑)」と記者陣の笑いを誘った。

取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

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