木谷高明オーナーに聞く!ロッシー小川氏との契約解除、スターダム岡田社長体制への期待「もっともっと世界に対して光輝いてほしい」

業界の盟主として不動の地位を築いている「新日本プロレス」、そして女子プロレスの最前線を走る「スターダム」を傘下に持つ、株式会社ブシロードの木谷高明社長に独占インタビューを実施。

オーナーとして見た岡田太郎社長の現状、ロッシー小川氏との契約解除、そして人気選手の退団、今後のスターダムに期待する事など、様々な角度から話を伺った。

※今回のインタビューでは新日本プロレス(前編)とスターダム(後編)の2部構成として、今回は後編を掲載。

①岡田太郎社長、就任後の現状について

©STARDOM

ーー次にスターダム岡田新社長就任後の現状についてはいかがでしょうか?

よくやってると思います。マッチメイクもね、1人でやってるし。選手ともよく接して、うまくまとめてるなと思います。

ーーやはり学生プロレス出身というところもあってプロレスに対するリスペクトだとか、そういった姿勢がファンの皆さんにも少しずつ伝わっているような気がします。

やっぱり舞台やってたり、あとはミルキィホームズのプロジェクトのプロデューサーだったので声優さんにも結構接してたりして、タレントと接するのは慣れてるから、その辺も今のキャリアにも活きてるなっていうふうに思いますね。

ーー一番最初にやられたことが選手との対話が見えましたけども、そういった部分から選手の信頼を少しずつ勝ち取ってきてるようなイメージがありました。

彼は頭がいいんですよ、色んな事を考えながら興行を動かしているので。今までにだいぶ慣れてきてたくましくなりました。

ーー女子選手と接するというのは心のケアみたいな部分も必要になります。

寄り添い力が大事ですからね。全然すごくできる方だと思いますよ。

ーー木谷オーナーからの信頼も厚いですね。

②ロッシー小川氏との契約解除について

ーースターダムといえば、ロッシー小川氏との契約解除の問題ですが、木谷オーナーから見た視点では、この問題をどう捉えていますでしょうか?

契約解除の是非に関してはもう今回の件(マリーゴールドの旗揚げ会見)で証明された感じですよね。そりゃそうですよねって、お客さんも思ったんじゃないですか、こんなことするんだったらやっぱりそうだみたいな。

ーーなるほど。

なんで相手(アクトレスガールズ)の発表してるスケジュールを守らせるとこまでやらないんですかね、本当に。最低限の仁義だと思うんだけどな、僕は。

ーーどのあたりから信頼関係があまりうまくいってないなっていうのは感じたりはしましたか?

いや、ないですね。ロッシーさんが今回みたいなことをするっていうのは、心の中ではずっとあったと思いますよ。そりゃそうでしょ、自分が最終決定権者でありたいというのは思うわけで。

ただ心の中にある…、例えば会社辞めたい転職したいと思うのは誰だって心の中にあったりすると思うんですよ。でもそれを表にするかどうかというのは、環境だったりするじゃないですか。会社がやりがいのある仕事を与えてくれる、仲間と楽しく前向きに仕事をしてるからもうこんなことは考えるべきじゃないなと気持ちを押し込むわけですよ。

それが出てきちゃうというのは、やっぱり会社の対応もひどいしこれじゃやってられないってなったときですよね。

ーーそうですね。

そういう環境を作ってしまったというところが、やはりあったと思うんですよ。そのひずみの中、欠場者が多くなってしまったりとか、選手からもそういう不協和音が出てきたときにそれをうまく汲み取る形を作ったのがロッシーさんなんですよね。

③ジュリア、林下詩美、桜井まい、MIRAI、弓月の退団について

ーーそしてジュリア選手をはじめ、林下詩美選手、桜井まい選手、MIRAI選手、弓月選手と一気に退団を発表されますが、こちらはいかがでしょうか。

頑張ってくださいとしか言いようがないですよね。

ーー女子プロレスは男子プロレスよりも選手寿命が短いことが多いので、やはり今自分が一番輝ける場所を求めているのかなと思います。残った選手は選手で、スターダムを改めてもっと上にという覚悟を持ってらっしゃると思いますし。

なかなかこれはね…、(ロッシー)小川さんうまいですよね。

ーー策士ですね。

あんなおおっぴらにやるというか、いろいろちょっと…これ週プロさんでも話しましたけど、こちらの取引先の方から「小川さん、来てますけど」と言われましたからね(笑)

「新しく立ち上げるんで、スポンサーになってくださいって来てるけど、どうなのこれ?」って。もう、断ってくださっていいですよと。あんなおおっぴらにやる人、見たことないですよね。

ーー大胆な行動ですね。

もうこんなあからさまな背任ってないじゃないですか。ありえないですよね。僕が今年で昭和を終わらせると言ったらなんか、(マリーゴールドで)「昭和の復活」を掲げてるんでしょ?なんなんですかね、契約違反するのが昭和じゃないですよと。本当になんなんですかね。選手は輝いてくれとしかないですね。

➡次ページ:これからのスターダムに期待する事、岩谷麻優の半生を描いた映画『家出レスラー』

④これからのスターダムに期待する事

ーーそして最後に、これからのスターダムに期待することをお願いします。

世界で一番大きい女子プロレス団体ですから、もっともっと世界に対して光輝いてほしいなというふうに思いますね。だからアメリカでも興行をしますし、AEWとの交流もやっていきます。国内も、専用バスが出来たことで以前より地方を回れるようになりました。やはり地方にはまだまだ女子プロレスを見たことないって方、たくさんいらっしゃると思うんですよ。東京にもたくさんいらっしゃると思いますけど、無理のない形で巡業のスケジュールを組んで日本全国の方に女子プロレスをしっかり届けたいなと思いますね。地方に行けば行くほど、お年寄りから子供まで、幅広い方が会場にいらっしゃいますし。

ーーそれは嬉しいですね。今年は岩谷選手の「家出レスラー」の映画公開など、女子プロレスが改めて注目を浴びるきっかけになりそうですよね。

▼スターダムのアイコン岩谷麻優の半生を描いた映画『家出レスラー』

山口県の田舎で生きづらさを抱えて毎日を過ごしていた少女・マユは、あることをきっかけに引きこもり生活を2年も続けていた。
しかし兄と観戦したプロレスに感激したマユはコンビニ袋と小銭だけ持って、プロレスラーになるために家出を敢行。
東京での練習の厳しく、スターダム1期生としてデビュー“ポンコツ”と呼ばれ、なかなか日の目を見られない日々の中、様々な人々に助けられて成長していくマユ。
ダメダメだった彼女が、“女子プロレスのアイコン”として世界中に名を轟かすようになるまでを描いた奇跡のストーリー。
人生をあきらめかけた人、一生懸命に生きることに疲れた人、何もかもが嫌になってしまった人・・・、全ての人を元気にするプロレス青春映画。

家出レスラーは岩谷の自伝『引きこもりでポンコツだった私が女子プロレスのアイコンになるまで』が原案

平井杏奈(映画『家出レスラー』主演オーディショングランプリ)
竹中直人 石野真子 向後桃 HG(レイザーラモン) 中本大賀 木村有希(ゆきぽよ) 根岸愛 都丸紗也華 小坂井祐莉絵 平嶋夏海 KAIRI 朱里 藤井マリー 有田哲平 古坂大魔王 RG(レイザーラモン) 浅越ゴエ 竹若元博(バッファロー吾郎) 天山広吉 他
脚本:渡部辰城 監督:ヨリコジュン 音楽:岩谷麻優入場曲「THE ICON」

※『家出レスラー』公式サイト

いや、本当に。「家出レスラー」を観て女子プロレスに興味を持っていただき、スターダムの会場に足を運んでいただけたら嬉しいですね。

ーー本日は有難うございました。

インタビュアー:山口義徳(プロレスTODAY総監督)

▼前編はコチラ
木谷高明オーナーに直撃!新日本プロレス棚橋新体制、看板選手の退団と若手選手の台頭、日本プロレスリング連盟への期待

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